【概要】
霧降の滝は、栃木県日光市の霧降川に懸かる上段約25m、下段約26mの二段の滝で、華厳滝、裏見滝とともに日光三名瀑に数えられてきました。下段で岩壁に当たった水が霧が降るように飛び散ることからその名で呼ばれます。葛飾北斎が「諸国瀧廻り」で描いたことでも知られ、駐車場から数分の観瀑台から谷を隔てて全景を一枚の絵のように眺められます。
【歴史】
霧降の滝は栃木県日光市にある利根川水系板穴川の支流、霧降川にかかる滝で、古くから華厳滝、裏見滝とともに日光三名瀑に数えられてきました。天保4年(1833年)頃、葛飾北斎は連作「諸国瀧廻り」の一図として「下野黒髪山きりふりの滝」を描き、岩を這うように流れ落ちる水を生き物のような姿で表現しています。平成2年(1990年)には日本の滝百選に選定されました。
【特徴】
上下二段に分かれた段瀑で、上段が約25メートル、下段が約26メートル、全長は75メートルに及びます。幅は3〜15メートルで、下段では水が岩壁に当たって細かく飛び散り、その飛沫がまるで霧が降っているように見えることが名前の由来とされます。霧降高原の深い森に囲まれており、滝を谷を隔てて眺めるため、新緑や紅葉に包まれた全景を一枚の絵のように楽しめるのが霧降の滝の特徴です。
【見どころ】
駐車場から整備された遊歩道を数分歩くと、滝を対岸から一望する観瀑台に着き、気軽に全景を眺められます。新緑の5月から6月、紅葉の10月中旬から11月上旬が特に美しく、朱色や黄色の木々の間に白い水流が浮かび上がります。周辺の霧降高原にはニッコウキスゲの群落で知られるキスゲ平や、丁字滝、玉簾の滝、マックラ滝からなる隠れ三滝などの見どころがあり、日光の市街地からも近いため散策と組み合わせやすい滝です。
【トリビア】
霧降の滝の周辺には、大正4年(1915年)にフランス人外交官ガロアが発見した珍しい昆虫ガロアムシが生息していると伝わります。北斎の「諸国瀧廻り」は全8図で、下野国からはこの滝が選ばれており、江戸時代から名瀑として広く知られていたことを物語ります。日光三名瀑のうち華厳滝が落差、裏見滝が滝裏からの眺めで知られるのに対し、霧降の滝は岩肌を分かれて流れる繊細な水の表情で親しまれています。
