【概要】
インクラの滝は、北海道白老町の西別々川に懸かる落差約44m、幅約10mの直瀑で、名前は木材運搬用のインクライン設備が置かれていたことにちなみます。凝灰岩質の岩盤はもろく、崩落や浸食で滝の姿がたびたび変わることでも知られます。滝の直下は落石の危険で立入禁止となり、現在は2009年に整備された見晴台から全景を眺めます。
【歴史】
インクラの滝は、北海道白老町の別々川水系・西別々川に懸かる滝で、「別々の滝」とも呼ばれます。一風変わった名前は、かつてこの一帯で切り出した木材を運ぶためのインクライン(傾斜面を利用した運搬設備)が置かれていたことに由来し、その設備は1944年に廃止・撤去されました。1990年に日本の滝百選に選定され、林野庁のレクリエーションの森「インクラの滝風景林」にも含まれています。
【特徴】
落差約44m、幅約10mで、周辺の森を集めた豊富な水量が一気に落ちる直瀑です。岩盤は凝灰岩質でもろく、崩落や浸食によって滝の姿形がたびたび変わることが知られています。水しぶきが舞う滝壺の周囲は深い谷になっており、地質的な価値も評価されて「北海道地質百選」に選ばれています。白老の広大な山林の中で、静かにその存在感を保ち続けている滝です。
【見どころ】
国道36号の社台地区から別々川沿いの道を上流へ約12km進むと滝の入口に着きます。駐車場から遊歩道を約15分歩くと見晴台があり、ここから滝の全景を見渡せます。かつては滝の直下まで遊歩道が通じていましたが、落石の危険から立ち入り禁止となり、2009年12月に現在の遊歩道と見晴台が整備されました。新緑と紅葉の季節が特に美しく、道は未舗装なので歩きやすい靴が必要です。
【トリビア】
川の名「別々」はアイヌ語の「ベツベツ・ソー」に由来するとされ、「ソー」は滝を意味しますが、「ベツベツ」については川を重ねた言葉とする説などがあり定説はありません。インクラの滝は幅・落差ともに白老町を代表する名瀑で、林業の運搬設備という産業の記憶がそのまま滝の名になった、道内でも珍しい例です。駐車場のそばには展望台とトイレも整備されています。




