日本のミステリー文学を代表する三人の名探偵です。江戸川乱歩が生んだ変幻自在の「明智小五郎」、横溝正史が描く風采の上がらない天才「金田一耕助」、高木彬光による正統派の頭脳「神津恭介」を指します。それぞれが独自のスタイルで数々の難事件を解決し、昭和の探偵ブームを牽引しました。
A.最も早いのは明智小五郎です。1925年に雑誌『新青年』へ発表された江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』で初登場しました。金田一耕助は1946年に連載が始まった横溝正史の『本陣殺人事件』で、神津恭介は1948年に刊行された高木彬光の『刺青殺人事件』で登場しています。
A.明智小五郎は都会的な事件を扱い、金田一耕助は旧家や因習の残る村で起きる連続殺人に挑みます。明智は洋行帰りの紳士として心理の分析と変装を得意とし、金田一はもじゃもじゃ頭にお釜帽、よれよれの袴という身なりで、事件の背後の血縁と怨念の悲劇を解き明かします。
A.東京大学医学部の法医学教室に助教授として籍を置く、正統派の本格探偵です。六か国語を操り、ピアノはプロ級、容姿も端整という完璧超人として描かれ、法医学の知識と厳密な論理でアリバイや不可能状況を崩していきます。『成吉思汗の秘密』などでは歴史上の謎にも挑みました。
A.三人とも作中で東京に拠点を置いています。明智小五郎は千代田区の開化アパート、金田一耕助は世田谷区の緑ヶ丘町、神津恭介は文京区本郷の東京大学医学部とされます。また神津恭介の『刺青殺人事件』は、作者が原稿を江戸川乱歩に送って激賞を受けたことで発表の道が開けました。
A.言語学者の金田一京助にちなんで付けられたと伝えられています。金田一耕助は横溝正史が生んだ探偵で、ボサボサ頭にお釜帽という姿は、今も推理ものの定番の意匠としてパロディの題材にされ続けています。