日本八景は、1927年にあたる昭和二年に東京日日新聞と大阪毎日新聞が鉄道省の後援を受け、読者のはがき投票をもとに選んだ八つの景勝地です。瀑布は華厳滝、湖沼は十和田湖、山岳は雲仙岳、河川は木曽川、渓谷は上高地、海岸は室戸岬、温泉は別府温泉、平原は狩勝峠という顔ぶれで、投票総数は約九千三百万通に達しました。日本新八景とも呼ばれ、同時に日本二十五勝と日本百景も選ばれています。

(かりかちとうげ)
狩勝峠は、北海道新得町にある標高六百四十四メートルの峠で、1927年の日本八景では平原の部に選ばれました。石狩と十勝の境にあたり、長い坂を登りきった先で十勝平野が地平線まで広がる眺めが評価されたものです。かつての鉄道の車窓は日本三大車窓に数えられ、今は国道38号の頂上に置かれた展望台から同じ景色を見渡すことができます。
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(とわだこおよびおいらせけいりゅう)
十和田湖は青森県と秋田県の県境にまたがる二重式カルデラ湖で、最大水深約327メートルは日本第3位の深さです。湖から流れ出す奥入瀬渓流は、約14キロにわたって阿修羅の流れや銚子大滝など変化に富んだ渓流美が続き、新緑と紅葉の季節はとくに多くの人が訪れます。1952年に特別名勝・天然記念物に指定されました。
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(けごんのたき)
華厳の滝は栃木県日光市にある落差97メートルの滝で、日光を代表する観光名所。中禅寺湖から流れ出る水が岸壁を豪快に落下する姿は圧巻で、特に紅葉シーズンは絶景。エレベーターで観瀑台まで降りると間近で迫力を体感できる。
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(かみこうち)
上高地は長野県松本市の梓川上流、標高約1,500メートルに広がる山岳景勝地で、中部山岳国立公園の中心をなしています。河童橋から望む穂高連峰と梓川の清流、大正池に立つ立ち枯れの木々は、日本の山岳観光を象徴する眺めです。1952年に特別名勝・特別天然記念物に指定され、4月中旬から11月中旬の開山期間だけ訪れることができます。
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(きそがわ)
木曽川は、木曽の山地から伊勢湾へ注ぐ大河で、1927年の日本八景では河川の部の一席に選ばれました。評価の的になったのは、白い奇岩の間に急流と淵が交互に現れる中流の峡谷で、地理学者の志賀重昂がドイツのライン川になぞらえて日本ラインと呼んだ区間です。愛知県犬山市にある犬山橋のあたりがその下流側の入口にあたります。
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(むろとみさき)
室戸岬は、四国の南東端で太平洋に突き出した岬で、1927年の日本八景では海岸の部に選ばれました。荒波に削られた奇岩が連なる海岸線と、亜熱帯の植物が覆う斜面が評価され、翌年には国の名勝と天然記念物に指定されています。プレートの沈み込みによって今も隆起を続ける大地として、現在はユネスコ世界ジオパークの舞台にもなっています。
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(うんぜんだけ)
雲仙岳は長崎県の島原半島中央にそびえる火山群の総称で、普賢岳や国見岳、妙見岳など複数の峰からなります。1934年に日本で最初の国立公園の一つに指定され、春のミヤマキリシマ、秋の紅葉、冬の霧氷で知られます。1990年に始まった噴火では溶岩ドームの平成新山が生まれ、標高1,483メートルの最高峰となりました。
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(べっぷおんせん)
別府温泉は大分県別府市にある日本一の湧出量と源泉数を誇る温泉地、「別府八湯」の総称。市内至る所から湯けむりが立ち上る風景は圧巻。観光名所「地獄めぐり」では、赤い「血の池地獄」や青い「海地獄」など、多様な源泉を楽しめる。
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