【概要】
雲仙岳は、雲仙市にある特別名勝です。四季折々の美しい景観が楽しめ、多くの観光客が訪れます。日本の美を象徴する場所の一つです。
【歴史】
長崎県雲仙市を含む島原半島の中央部にそびえる雲仙岳は、701年に行基が開いたとの伝承をもち、古くから山岳信仰の霊場として栄え、明治以降は外国人の避暑地としても知られてきました。1928年(昭和3年)に「温泉岳」の名で国の名勝に指定され、1934年には日本最初の国立公園の一つに選ばれ、1952年(昭和27年)に特別名勝へと格上げされました。「雲仙」の表記は「温泉」の古い読みに由来します。
【特徴】
雲仙岳は単独の山ではなく、標高1359メートルの普賢岳を主峰とし、妙見岳や国見岳、野岳など二十を超える峰からなる火山群の総称です。溶岩円頂丘が寄り集まった複雑な山容と、麓から立ちのぼる噴気、深く刻まれた谷が独特の景観をつくり出しています。1990年からの噴火で生まれた溶岩ドームの平成新山は標高およそ1483メートルで、県内の最高峰です。山体は複数の火山の活動が重なって形づくられました。
【見どころ】
見どころは、仁田峠から望む峰々の連なりです。峠へは有料の循環道路が通じ、ロープウエーで妙見岳へ上がれば、有明海と島原半島、そして間近に迫る平成新山を一望できます。5月下旬にはミヤマキリシマが山肌を淡い紅色に染め、秋は紅葉、冬は霧氷が楽しめます。麓の雲仙温泉では、白い湯煙を上げる雲仙地獄を遊歩道でゆっくり巡ることができます。普賢岳の山頂へ至る登山道も整えられています。
【トリビア】
雲仙岳では1792年に眉山が崩壊し、発生した津波によって死者と行方不明者が約一万五千人にのぼる「島原大変肥後迷惑」が起きました。有史以来、日本最大の火山災害とされています。1990年から始まった噴火活動では火砕流が九千回以上観測されて多くの犠牲者を出し、その痕跡を残す平成新山は、国際地質科学連合により世界の地質遺産にも選ばれました。噴火の記録は麓の資料館で学ぶことができます。




