【概要】
鳥屋野の逆さ竹は、新潟県新潟市中央区にある西方寺の境内に伝わる竹やぶで、越後七不思議のひとつに数えられます。ハチクでありながら枝が下向きに垂れる株が点々と現れるのが特徴で、越後へ流された親鸞聖人が竹の杖を逆さに挿したところ根づいたものと伝えられます。大正十一年には国の天然記念物へ指定され、指定名称は鳥屋野逆ダケの藪といいます。
【歴史】
建永二年に越後へ流された親鸞聖人は、鳥屋野の地にしばらく滞在して教えを説いたと伝えられます。その折に手にしていた竹の杖を逆さに地面へ挿したところ、杖が根づいて枝葉を下向きに伸ばしたという言い伝えが、鳥屋野の逆さ竹の由来として長く語られてきました。大正十一年十月には、鳥屋野逆ダケの藪の名で国の天然記念物に指定されています。
【特徴】
鳥屋野の逆さ竹はハチクの一種で、稈から出た枝が下方へ屈曲する変わった姿がやぶのあちこちに現れます。曲がり方には根元から弓なりになるもの、鋭い角度で折れ曲がるものなどいくつかの型があり、同じやぶの中でふつうの竹と入りまじって育ちます。竹の仲間で枝が枝垂れる例はほとんどなく、きわめて珍しい変異とされています。
【見どころ】
西方寺の境内に入ると、一見ふつうの竹やぶに見えるなかに、枝を下へ垂らした竹が点々と混じっている様子を確かめられます。寺には逆さ竹の標本も保存されており、枝の曲がり方をじっくり観察できます。見学できる時間帯は季節によって変わり、案内も更新されるため、訪ねる前に新潟市の案内で確かめておくと安心です。境内には由来を記した案内板も置かれています。
【トリビア】
竹の枝がなぜ垂れ下がるのかは、長いあいだ議論されてきました。狭い範囲に密生して育つ影響や、雪に埋もれる期間の長さが関わるという見方が出されていますが、決め手となる説明はまだ得られていません。伝説の舞台でありながら、植物学の宿題を今も残している点が、この竹やぶのおもしろいところです。国の天然記念物に指定されたのは大正十一年のことで、植物の指定としては全国でも早い時期にあたります。
