越後七不思議は、越後国すなわち現在の新潟県各地に伝わる不思議な事柄を集めたもので、なかでも親鸞聖人の流罪伝説にまつわる七つが代表とされます。鳥屋野の逆さ竹、山田の焼鮒、八房の梅、珠数掛桜、保田の三度栗、繋ぎ榧、片葉の芦がそれにあたりますが、顔ぶれは資料によって入れ替わるとされます。伝承地は新潟市から阿賀野市、田上町、上越市まで県内各地に点在しています。

(とやののさかさだけ)
鳥屋野の逆さ竹は、新潟県新潟市中央区にある西方寺の境内に伝わる竹やぶで、越後七不思議のひとつに数えられます。ハチクでありながら枝が下向きに垂れる株が点々と現れるのが特徴で、越後へ流された親鸞聖人が竹の杖を逆さに挿したところ根づいたものと伝えられます。大正十一年には国の天然記念物へ指定され、指定名称は鳥屋野逆ダケの藪といいます。
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(やまだのやきふな)
山田の焼鮒は、新潟県新潟市西区にある山田神社に伝わる話で、越後七不思議のひとつに数えられます。赦免されて越後を去る親鸞聖人の送別の宴に焼いた鮒が供され、聖人が念仏を唱えて池へ放つと生き返って泳ぎ出したと伝えられます。以来この地では、体に焦げ目のような模様をもつ鮒がとれるようになったという言い伝えが残ります。
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(やつふさのうめ)
八房の梅は、新潟県阿賀野市にある梅護寺の境内に伝わる八重咲きの梅で、越後七不思議のひとつに数えられます。ひとつの花に八つの実を結ぶといわれ、親鸞聖人が食べた梅干しの種を庭に植えたところ芽吹いたものと伝えられます。同じ境内には珠数掛桜もあり、二つの不思議を一度に訪ねられる寺として知られています。春先には紅色の八重の花が咲きます。
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(じゅずかけざくら)
珠数掛桜は、新潟県阿賀野市にある梅護寺の境内に伝わる八重桜で、越後七不思議のひとつに数えられます。親鸞聖人が桜の枝に数珠を掛けて教えを説いたところ、数珠のように花が連なって咲くようになったと伝えられます。昭和二年に国の天然記念物へ指定されましたが、原木はすでに枯れ、現在は後継樹が花をつけています。花は房になって長く垂れ下がります。
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(やすだのさんどぐり)
保田の三度栗は、新潟県阿賀野市にある孝順寺に伝わる栗で、越後七不思議のひとつに数えられます。親鸞聖人が宿の主から贈られた焼き栗を蒔き、教えが末の世まで栄えるなら三度実るはずだと唱えたところ芽を出したと伝えられます。当時の木はすでに枯れましたが、寺では植え継がれた木が今も年に三度花をつけるといいます。
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(つなぎがや)
繋ぎ榧は、新潟県田上町にある了玄寺の境内で育つカヤの大木で、越後七不思議のひとつに数えられます。実に糸を通したような穴が開くといわれ、親鸞聖人が植えた榧の実から育ったものと伝えられます。国の天然記念物に指定されており、根元から幾筋にも分かれた幹が地を這うように広がる姿も見どころで、樹齢は七百年余りといわれます。
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(かたはのあし)
片葉の芦は、新潟県上越市にある居多神社の境内に生えるアシで、越後七不思議のひとつに数えられます。ふつうは左右交互につく葉が片側だけに伸びるのが特徴で、越後へ流された親鸞聖人が参詣して念じたところ、一夜のうちに片葉になったと伝えられます。聖人が上陸したとされる居多ヶ浜にもほど近く、越後での歩みをたどる入り口となる社です。
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