【概要】
珠数掛桜は、新潟県阿賀野市にある梅護寺の境内に伝わる八重桜で、越後七不思議のひとつに数えられます。親鸞聖人が桜の枝に数珠を掛けて教えを説いたところ、数珠のように花が連なって咲くようになったと伝えられます。昭和二年に国の天然記念物へ指定されましたが、原木はすでに枯れ、現在は後継樹が花をつけています。花は房になって長く垂れ下がります。
【歴史】
言い伝えでは、越後を去る親鸞聖人が梅護寺の桜の枝に数珠を掛けて教えを説いたところ、その年から花が数珠のように連なって咲くようになったとされます。この珍しい咲き方が広く知られるようになり、昭和二年四月には梅護寺の珠数掛ザクラの名で国の天然記念物に指定されました。ふつうの数珠ではなく珠数と書くのが習わしです。
【特徴】
珠数掛桜はサトザクラの栽培品種で、花は紅色を帯び、花びらの数はおよそ八十枚に達します。花は房になって十センチメートルを超える長さに垂れ下がり、その姿が数珠を掛けたように見えることが名の由来と伝えられます。八重桜の仲間のなかでも花の重なりが多く、とりわけ華やかな品種に数えられています。満開のころには、枝が花の重みでしなるほどの咲きぶりになります。
【見どころ】
原木は平成十四年にならたけ病におかされて枯れ、寺と関係者は組織培養による後継樹づくりに取り組みました。培養に成功した二本を含む十二本が境内に移され、今はその木が花を咲かせています。八重桜なので開花はソメイヨシノより遅く、見ごろは年によって動くため、開花の便りを確かめて訪ねるとよいでしょう。境内には八房の梅も並んで育っています。
【トリビア】
珠数掛桜は桜の品種としても登録されており、梅護寺数珠掛桜の名で各地の公園や寺社にも植えられています。越後七不思議のうち国の天然記念物に指定されているのは、この桜と鳥屋野の逆さ竹、田上の繋ぎ榧の三つで、伝説が植物学の目から見ても珍しいと認められた例といえます。言い伝えを入り口にして、植物の世界へ足を踏み入れられる桜です。
