【概要】
天寧寺は、広島県尾道市にある曹洞宗の寺院で、貞治6年(1367年)に尾道の道円の発願により足利義詮の寄進を得て開かれたと伝えられます。創建当時は七堂伽藍を構える大寺でした。海を背に立つ三重塔は海雲塔と呼ばれて尾道を代表する眺めとなり、堂内には表情の異なる五百羅漢がずらりと並び、病気平癒を願う参拝者が絶えません。
【歴史】
貞治6年(1367年)、尾道の道円の発願により、父尊氏の遺志を継いだ足利義詮が工事を寄進し、普明国師を開山に迎えて開かれたのが天寧寺と伝えられます。創建当時は東西三町にわたって七堂伽藍が並ぶ大寺院でした。のちに曹洞宗の寺となり、いまも釈迦牟尼佛を本尊として尾道の坂の中腹に堂を構え、参拝者を迎え続けています。
【特徴】
境内の三重塔は海雲塔の名で呼ばれ、もとは五重塔として建てられましたが、元禄5年(1692年)に老朽化した上の二層を取り除いて現在の姿になったと伝えられます。国の重要文化財に指定され、日本遺産の構成文化財にもなっています。塔越しに海と空を望む眺めは、尾道を象徴する景色として繰り返し紹介されてきました。
【見どころ】
お堂にずらりと並ぶ五百羅漢は天寧寺を代表する寺宝で、江戸時代の文化・文政期から明治の初めにかけておよそ六十年をかけて奉納されたと伝えられ、その数は五百二十六体を数えます。一体ずつ表情が違い、会いたい人に似た顔を探しながら眺める参拝者も多いといいます。本堂に祀られた賓頭盧尊者は、地元の人からさすり仏さんと慕われている像です。
【トリビア】
三月下旬から四月にかけては枝垂れ桜と白木蓮が咲き、数百本の牡丹が境内を彩ります。天寧寺は病気平癒の祈願所とされ、自分が患っているところと同じ場所をなでると治るという言い伝えが今も残っています。五百羅漢の下には座禅堂があり、座ることのできる時間帯が設けられていますが、公開の状況は変わることがあります。
