【概要】
数鹿流ヶ滝は、熊本県南阿蘇村立野の黒川に懸かる落差60メートル、幅20メートルの滝で、健磐龍命が外輪山を蹴破った割れ目にできたと語られます。2016年の熊本地震で周囲の山腹が崩れ阿蘇大橋も崩落して長く近づけませんでしたが、2021年10月に展望所が整備され、再び正面から滝と新旧の橋を望めるようになりました。
【歴史】
数鹿流ヶ滝は、熊本県南阿蘇村の立野にある滝で、1990年(平成2年)に日本の滝百選へ選ばれました。阿蘇の神話では、阿蘇大明神とされる健磐龍命が、カルデラ湖であった阿蘇に田畑を開くため外輪山を蹴破ったと語られます。その割れ目にできたのがこの滝で、水が流れ出したときに数頭の鹿が押し流されたことから名が付いたと伝わっています。
【特徴】
数鹿流ヶ滝は阿蘇の外輪山の西部にある切れ目に懸かり、落差60メートル、滝幅20メートル、滝壺の広さは約2970平方メートルに及びます。流れているのは黒川で、白川と合わさる地点のやや上流にあたります。溶岩が幾層にも重なった断崖を豊かな水が段になって落ちる姿は雄大で、阿蘇のカルデラがつくり出した地形をそのまま示す滝といえます。
【見どころ】
この滝は2016年の熊本地震で周囲の山腹が大きく崩れ、近くの阿蘇大橋も崩落したため、長く間近で見ることができない状態が続きました。2021年3月に新阿蘇大橋が開通し、同年10月には数鹿流ヶ滝展望所が新たに整備されて、再び正面から滝を望めるようになりました。展望所からは滝とともに、崩落した旧橋の橋げたと新しい橋の両方を見渡せます。
【トリビア】
名の由来にはもう一つの伝承があり、鎌倉時代初期の1191年(建久2年)に阿蘇家が行った巻狩りの際、逃げ場を失った数頭の鹿が渓流に落ちて流されたことにちなむともいわれます。地震で生じた大規模な山腹の崩壊は数鹿流崩れと名付けられ、震災遺構として保存されています。数鹿流ヶ滝は自然の力の大きさを今に伝える滝でもあります。
