【概要】
双門の滝は、奈良県天川村の弥山川上流、双門峡に懸かる落差約70mの滝で、上部は数段の段瀑、下部は細い岩の隙間を縫って一気に落下します。滝の直下へ通じる一般ルートはなく、鎖や30本以上の鉄梯子が架かる弥山川ルートを登った双門テラスからの遠望が主な観賞方法で、百選の中でも到達が最も困難な滝の一つとして知られます。
【歴史】
双門の滝は奈良県天川村北角を流れる弥山川の上流、双門峡に懸かる滝です。大峰山系の主峰・八経ヶ岳(約1915m)に源を発する弥山川が岩盤を深くえぐって刻んだ峡谷で、古くから大峯修験の山域として人を寄せ付けない秘境だったのです。1990年に日本の滝百選に選定されましたが、百選の中でも到達が最も困難な滝の一つとして知られています。
【特徴】
双門の滝の落差は約70mで、上部は数段に分かれた段瀑、下部は断ち割られたような細い岩の隙間を縫って一気に落下します。一帯は天川亜層群の地層に覆われ、白川八丁では大峰花崗岩の貫入で熱変成を受けた白い岩体が広がるなど、地質的にも興味深い景観です。下流には一の滝、二の滝、三の滝が連続し、渓谷全体が険しい岩場をなしています。
【見どころ】
滝の直下へ通じる一般ルートはなく、岩尾根「裏双門」を登り詰めた双門テラスからの遠望が主な観賞方法です。熊渡から弥山川沿いに白川八丁を遡行し、ガマ滝や連瀑帯を越えて、鎖や鉄製の梯子30本以上が架かる岩場を登る行程は片道数時間を要します。険路の果てに目にする、岩壁を裂いて落ちる白い水流は、まさに幻の滝と呼ぶにふさわしい迫力です。
【トリビア】
双門の滝へ至る弥山川ルートは大峰山系で最も事故の多いルートとされ、雨天時は入山禁止、超上級者向けとされています。垂直に近い梯子の連続は高所が苦手な人には極めて困難で、経験者の同行と十分な装備が不可欠です。天川村は近鉄下市口駅から車で約45分の距離にあり、滝を目指さずとも洞川温泉や天河大辨財天社など見どころは豊富です。
