【概要】
仙娥滝は、山梨県甲府市の御岳昇仙峡の最奥部に懸かる落差約30メートルの滝で、断層によって生じ、花崗岩の岩肌を削りながら勢いよく落下します。名は中国神話で月に昇った嫦娥にちなむとされ、昇仙峡は1953年に特別名勝となりました。滝上の駐車場から徒歩約5分で着き、遊歩道を下ると石門や高さ約180メートルの覚円峰を眺めながら歩けます。
【歴史】
仙娥滝は、山梨県甲府市の御岳昇仙峡の最奥部にある滝で、富士川水系荒川の上流に懸かります。昇仙峡は1834年(天保5年)に地元の長田円右衛門らが御岳新道を開いたことで往来が容易になり、多くの文人や画家が訪れるようになりました。1923年に国の名勝、1953年に特別名勝となり、仙娥滝は1990年に日本の滝百選に選ばれました。名は中国神話で月に昇った女性・嫦娥にちなむとされます。
【特徴】
落差は約30mで、地殻変動による断層によって生じた滝とされ、花崗岩の岩肌を削りながら勢いよく落下します。昇仙峡は秩父山地の国師ヶ岳や金峰山を源とする荒川が花崗岩を浸食してつくった渓谷で、仙娥滝は昇仙峡のシンボルである覚円峰の麓に位置します。新緑、紅葉、雪景色と四季ごとに姿を変え、特に秋の紅葉シーズンには多くの観光客で賑わいます。豪快な水音が岩壁にこだまし、間近で見ると迫力があります。
【見どころ】
仙娥滝は滝上の駐車場から徒歩約5分と近く、気軽に訪れることができます。滝の下流に向かって遊歩道が続き、巨岩が組み合わさった石門や、そそり立つ覚円峰を眺めながら歩けます。昇仙峡ロープウェイに乗れば富士山や南アルプスを望むことができ、周辺には水晶や宝石を扱う店も多く並んでいます。渓谷全体を歩く場合は、下流の長潭橋から仙娥滝まで約4kmの道のりで、覚円峰を仰ぐ区間が特に見応えがあります。
【トリビア】
甲府市内には御岳新道の開削に尽力した長田円右衛門の顕彰碑が建てられており、昇仙峡観光の礎を築いた人物として今も讃えられています。仙娥滝を含む御嶽昇仙峡は2020年に「甲州の匠の源流・御嶽昇仙峡」として日本遺産にも認定されました。名の由来となった嫦娥は不死の薬を飲んで月へ昇ったと伝わる女性です。滝を見下ろす覚円峰は高さ約180mの花崗岩の岩峰で、僧の覚円が頂上で修行したことが名の由来と伝わります。
