【概要】
隠岐ジオパークは、島根県の島根半島の沖合に浮かぶ隠岐諸島全体を範囲とするジオパークで、2013年に世界ジオパークに認定されました。大陸の一部だった時代の岩石、日本海の誕生、火山活動による島の形成という大地の成り立ちに加え、北方系と南方系の植物が混じり合う独特の生態系と、そこで育まれた島の暮らしや歴史を一体として伝えています。
【歴史】
隠岐諸島で最も古い岩石は、日本列島がまだアジア大陸の一部だった時代に地下深くでつくられた隠岐片麻岩です。その後、大陸から日本列島が離れて日本海が広がる時代の地層が積み重なり、さらに火山活動によって島々の骨格がつくられました。隠岐ジオパークは2009年に日本ジオパークに認定され、2013年9月に世界ジオパークに加わり、2025年にも4年間の再認定を受けています。
【特徴】
隠岐諸島は、島後と呼ばれる大きな島と、中ノ島・西ノ島・知夫里島からなる島前などで構成されています。島前の三つの島は、大きな火山が陥没してできたカルデラの縁にあたり、内側の海を囲むように並んでいます。島は氷期に本土とつながったり離れたりを繰り返したとされ、北方系と南方系の植物、高山と海辺の植物が隣り合う、ほかでは見られない植物の分布が生まれました。
【見どころ】
西ノ島の国賀海岸では、日本海の荒波に削られた高さ約257メートルの断崖、摩天崖がそびえ、岩のアーチの通天橋とともに雄大な海岸の景色をつくっています。島後の北西にあるローソク島は、海から突き出た細長い岩の先端に夕日が重なると、ろうそくに火がともったように見える奇岩です。夕日が重なる季節や遊覧船の運航は限られるため、事前に確かめておくと安心です。
【トリビア】
隠岐でとれる黒曜石は、旧石器時代から本州の各地へ運ばれ、矢じりなどの石器の材料として使われてきました。島は古くから都との結びつきが深く、承久の乱に敗れた後鳥羽上皇や、鎌倉幕府に捕らえられた後醍醐天皇が流された地としても知られています。大地がもたらした資源と、海を通じた人の行き来が、隠岐ジオパークの暮らしと歴史を形づくってきました。
