【概要】
苗名滝は、新潟県妙高市と長野県との県境を流れる関川に懸かる落差約55メートルの直瀑で、約3万年前に黒姫山の噴火で流れ出た溶岩の末端に形成され、周囲には柱状節理や板状節理が発達しています。轟音が地震のようだったことから古語「なゐ」にちなんで呼ばれた名が転じたと伝わり、滝の近くには1813年に訪れた小林一茶の句碑が立っています。
【歴史】
苗名滝は、新潟県妙高市と長野県との県境を流れる関川に懸かる滝です。約3万年前に黒姫山の噴火で流れ出た溶岩が関川をせき止め、その溶岩の末端に形成されたとされます。古くは轟音が地震のようだったことから、地震を意味する古語「なゐ」にちなんで「なゐの滝」と呼ばれ、それが転じて「なえなたき」となり、高田平野の水田を潤すことから「苗」の字が当てられたと伝わります。地震滝、南井滝、苗江滝の表記も残っています。
【特徴】
落差約55mを誇る豪快な直瀑で、滝の周囲には溶岩が冷え固まる際にできた柱状節理が発達しています。遊歩道の上の岩壁には何十枚もの石が重なったような板状節理も見られ、火山活動が生んだ地形を間近で観察できます。上流には二の滝、三の滝、四の滝が連なりますが、そちらへの通行は困難です。苗名滝の水は関川を経て高田平野へ流れ下り、古くから農業用水として人々の暮らしを支えてきました。
【見どころ】
駐車場から遊歩道を徒歩約15分、二つの吊り橋を渡ると滝つぼ近くまで行くことができ、飛沫を浴びながら間近に苗名滝を眺められます。雪解け水で水量が増す春から初夏は迫力が増し、秋は紅葉と滝の対比が見事です。滝の近くには小林一茶の句碑があり、1813年に訪れて詠んだ「瀧けぶり 側で見てさへ 花の雲」の句が刻まれています。周辺にはそばで知られる食事処もあり、散策後の休憩に利用できます。
【トリビア】
1813年(文化10年)、高田藩が伐採した木材を川に流した際、丸太が滝の落ち口の岩にぶつかって岩が欠け、現在の形になったと伝わります。この地では妙高山に現れる雪形とともに苗名滝の姿が田植えを始める目安とされてきました。1995年7月の豪雨では地震滝橋が流失し、現在は下流に関川1号砂防えん堤が設けられています。江戸後期の文人画家・東洋越陳人は苗名滝を題材に多くの作品を残しました。
