【概要】
御蔵島は、三宅島の南に浮かぶほぼ円い島で、全島が東京都御蔵島村にあります。島の周りは海から一気に立ち上がる断崖に囲まれ、平地はほとんどありません。内陸には御山を中心にスダジイの巨樹が茂る深い森が残り、豊かな湧き水が断崖から滝となって海へ落ちます。島の近くの海にはミナミハンドウイルカがすみつき、イルカと泳げる島として知られます。
【歴史】
御蔵島は、伊豆の島々の神々が水を分け合ったという神集島の神話で、水を多く授かった島と語られます。断崖に囲まれて港を開くのが難しく、人々は島の北側のわずかな斜面に集落をつくって暮らしてきました。深い森から切り出すツゲやクワは良質な木材として知られ、とくにツゲは櫛や将棋の駒の材料として珍重され、島の暮らしを支えました。
【特徴】
御蔵島の海岸線は、ほとんどが高さ数百メートルにもなる断崖です。島の最高峰の御山は標高851メートルで、山の斜面はスダジイやツゲなどの照葉樹の森に覆われています。森には幹回りが十数メートルに達するスダジイの巨樹があり、国内でも指折りの大きさとされます。豊富な湧き水は川となって流れ、断崖の途中から滝となって直接海へ落ちています。
【見どころ】
御蔵島の周りの海には野生のミナミハンドウイルカが群れですみつき、ルールを守ったドルフィンスイムが島の名物になっています。森の中の山道はガイドの同行が求められる区間が多く、案内を受けて巨樹の森を歩けます。島を船で回ると、緑の断崖から白い滝が海へ落ちる景色に出会えます。宿の数が限られるため、渡る前に宿の手配を済ませておくと安心です。
【トリビア】
御蔵島の森は、海鳥のオオミズナギドリの大きな繁殖地として知られます。夜になると海から戻った鳥たちが森の斜面の巣穴へ帰ってきます。断崖に守られた地形のおかげで、島には人の手があまり入らない森が残り、巨樹や湧き水、海鳥やイルカが一つの島にそろっています。船が港に着けない日も多く、島への到着そのものが運次第といわれます。
