【概要】
伊豆大島は、伊豆諸島の北の端に浮かぶ、諸島で最も大きな島で、全島が東京都大島町にあります。島の中央には活火山の三原山がそびえ、島の人々は古くからその噴火を御神火と呼んで畏れ敬ってきました。1986年の噴火では溶岩が元町の集落へ迫り、全島民およそ1万人が島の外へ避難しています。黒いスコリアに覆われた裏砂漠の荒々しい景色が、火山の島らしさを伝えます。
【歴史】
伊豆大島の歴史は三原山の噴火とともに刻まれてきました。1986年11月15日の夕方、山頂火口の南側から噴火が始まり、21日にはカルデラの床で割れ目噴火が起きて、溶岩が元町の方向へ流れ下りました。集落に危険が迫ったことから、全島民およそ1万人が船で島の外へ避難しています。火山と向き合う暮らしの記憶は、いまも島のあちこちに残されています。
【特徴】
三原山は、直径3〜4キロメートルの外輪山に囲まれたカルデラの中に、もう一つの火口を抱いた内輪山がそびえる二重の火山です。最も高い三原新山は標高758メートルあります。火口の東側に広がる裏砂漠は黒いスコリアに覆われた一帯で、国土地理院の地形図に「砂漠」の名で記された珍しい場所とされ、草木のまばらな黒い大地が見渡す限り続きます。
【見どころ】
三原山頂口の展望台は、外輪山の元町側の頂にあり、カルデラ越しに内輪山の荒々しい姿を正面に望めます。すぐそばには御神火茶屋が建っています。東側へ回り込み、月と砂漠ラインの駐車場から10分ほど歩けば裏砂漠の展望地に着き、黒い大地の向こうに海が光ります。天気が変わりやすい山なので、風と霧への備えをしてから歩くと安心です。
【トリビア】
伊豆大島には裏砂漠のほかに、表砂漠や奥山砂漠と呼ばれる場所もあります。表砂漠は地形図に載らない通称で、その北半分は1950年代前半の噴火で流れた溶岩に埋まりました。神津島の天上山にも表砂漠と裏砂漠があり、東京都の島々には合わせて五つの砂漠があると紹介されることもあります。都心と同じ東京都に、こうした火山の荒野が広がっているのです。
