【概要】
常布の滝は、群馬県草津町の湯川支流・大沢川にかかる落差約70メートルの滝で、白根山の火砕流が固まった溶結凝灰岩の赤や黒の岩肌が特徴です。1990年に日本の滝百選に選ばれましたが、滝壺へのハイキングコースは落石の危険から2014年9月以降閉鎖され、現在は登山道途中の展望台から谷越しに遠望するのが唯一の方法です。
【歴史】
常布の滝は群馬県草津町にある利根川水系湯川の支流、大沢川にかかる滝です。草津温泉と芳ヶ平、渋峠を結ぶ古くからの山道の途中にあり、湯治客や登山者に眺められてきました。平成2年(1990年)に日本の滝百選に選ばれましたが、滝壺へ至るハイキングコースは落石の危険から2014年9月以降閉鎖されており、現在は登山道途中の展望台から遠望するのが唯一の方法となっています。
【特徴】
落差は約70メートルとされ、資料によっては約40メートルとするものもあります。最大の特徴は赤や黒に彩られた奇怪な岩肌で、白根山の火山活動で堆積した白根浮石流と呼ばれる火砕流層の溶結凝灰岩からなり、縦に走る筋状の構造は緩やかな柱状節理を示しています。常布の滝の左上部には浸食で削られた穴があり、鍾乳石のようにつらら状に垂れ下がった岩が見られ、岩肌の色と緑の苔が独特の景観を生んでいます。
【見どころ】
草津温泉街から国道292号を車で5分ほど走った先に登山道の入口があり、そこから山道を歩くと谷を隔てて滝の全景を望む展望台に着きます。新緑や紅葉の時期には色づいた森の中に白い水流が映え、火山地形ならではの荒々しい岩肌との対比が印象的です。かつてのコース途中には常布の滝下温泉と呼ばれる野湯が湧いていますが、閉鎖区間に含まれているため、現在は近づくことができません。
【トリビア】
常布の滝の下流にはかつて鷲乃湯という温泉があり、その跡地にはポケットパークが整備されて平成5年度の手づくり郷土賞を受賞しています。滝上部は本白根溶岩と呼ばれる新しい溶岩で覆われ、火砕流の層と溶岩の重なりを一つの滝で読み取れる場所として地質的にも注目されています。閉鎖された旧コースは落石に加えて熊の出没もあって廃道化しているとされ、百選の中でも到達が難しい滝の一つです。
