【概要】
大仏切通は、鎌倉大仏のある長谷の北西から、常盤や梶原を経て藤沢方面へ抜ける道に開かれた切通しです。鎌倉の西の出入口にあたり、1977年に国の史跡に指定されました。大仏の造立と同じころに整えられたとする見方もあります。深く掘り込まれた岩壁や、斜面に口を開けるやぐら、平らに削られた平場など、中世の防御と信仰の跡がよく残る道です。
【歴史】
大仏切通は、鎌倉の長谷と、深沢や梶原を経て藤沢・武蔵方面へ向かう道を結ぶ切通しです。13世紀半ばに鎌倉大仏が造られたころ、その資材を運ぶ道としても使われたと考える説があります。鎌倉の西側を守る出入口として、極楽寺坂や化粧坂とともに重要な位置を占め、尾根の上には見張りや防御に使われたとみられる遺構が残ります。
【特徴】
大仏切通の道は尾根を大きく掘り下げてつくられ、両側に高い岩壁がそそり立つ区間があります。岩壁には刻まれた段や、斜面を平らに削った平場が見られ、防御のための施設があったのではないかと考えられています。周囲の崖にはやぐらと呼ばれる横穴の墓所がいくつも口を開け、中に小さな五輪塔が残るものもあって、道そのものが中世の墓域を抜けていくような趣があります。
【見どころ】
鎌倉大仏のある高徳院から北西へ歩き、車道から山道に入ると大仏切通にたどり着きます。苔むした岩肌に囲まれた道を進むと、常盤側の出口近くにはやぐらが並び、鎌倉の中世の葬送の文化にふれられます。大仏ハイキングコースの入口も近く、源氏山や銭洗弁財天へと足を延ばして、大仏と古道を一日で歩きとおす人も少なくありません。
【トリビア】
大仏切通は、鎌倉大仏にちなんで名づけられた点が、地名や人名に由来するほかの切通とは異なります。大仏坂切通しとも呼ばれ、車は近くの大仏トンネルを通るため、古い切通は歩く人だけが通る静かな道として残りました。過去には崖崩れで通行止めになった時期もあり、通行の状況は変わることがあるので、訪ねる前に確かめると安心です。
