【概要】
阿寺の七滝は、愛知県新城市の阿寺川にかかる段瀑で、礫岩の断層崖を霹靂滝から敲壺滝まで七段に分かれて流れ落ち、総落差は62mに達します。滝壺に深さ約7mの甌穴を持つ地質的価値から1934年に国の名勝・天然記念物に指定され、安倍晴明が若い頃に修行したという伝説も残ります。駐車場から遊歩道を15分ほど歩くと、七段が折り重なる全景を眺められます。
【歴史】
阿寺の七滝は愛知県新城市を流れる阿寺川にかかる滝で、礫岩の断層に懸かる学術的価値が評価され、1934年(昭和9年)1月に国の名勝および天然記念物に指定されました。周辺の約9.1ヘクタールも保護の対象です。1990年には日本の滝百選に選ばれ、天竜奥三河国定公園の一角として親しまれています。古くから滝の竜神は雨乞いの神として信仰され、陰陽師の安倍晴明が若い頃にこの滝で修行したという伝説も残ります。
【特徴】
名の通り、礫岩の断層崖を七段になって流れ落ちる段瀑で、下から霹靂滝9m、虎嘯滝13m、龍攘滝7m、長霓滝25m、雄飛滝2m、素練滝4m、敲壺滝2mと続き、総落差は62mに達します。岩盤は砂岩や泥岩、花崗岩などの礫が固まった礫岩で、直径20cmほどの丸い礫が層をなす様子を間近に観察できます。上から2番目と5番目の滝壺には深さ約7mの甌穴があり、水流が岩を削った痕跡を伝えています。
【見どころ】
駐車場から阿寺川沿いの遊歩道を15分ほど歩くと滝前に着き、七段が折り重なって落ちる全景を眺められます。段ごとに表情が異なり、最大の長霓滝が白布のように流れ落ちる姿は特に迫力があります。新緑の頃は自然林の緑と清流が映え、秋は紅葉に彩られます。滝の近くには子抱石と呼ばれる岩を祀った子抱観音があり、祈ると子宝に恵まれると伝わります。JR飯田線の本長篠駅からバスも利用できます。
【トリビア】
七滝の各段には霹靂、虎嘯、龍攘、長霓、雄飛、素練、敲壺という雅な漢語の名が付けられ、雷鳴や虎の咆哮、竜の争いなど、水の勢いや形を詩的に表現しています。安倍晴明が修行の際に使ったと伝わる井戸も残り、滝の伝説を裏付ける史跡として紹介されています。礫岩に懸かる滝と大きな甌穴の組み合わせは全国的にも珍しく、阿寺の七滝は地質学の教材としても注目されてきました。
