【概要】
阿弥陀ケ滝は、岐阜県郡上市の前谷川上流に懸かる落差約60メートル、幅約7メートルの直瀑で、722年に泰澄が見出して「長滝」と名付けたと伝わる白山信仰の滝行の霊場です。滝の北側の洞窟から裏側へ回り込んで水のカーテン越しに景色を眺められるのが特徴で、葛飾北斎が「諸国滝廻り」に描き、入口の阿弥陀ヶ滝荘は元祖流しそうめんの店として知られます。
【歴史】
阿弥陀ケ滝は、岐阜県郡上市、旧白鳥町の前谷地区を流れる長良川支流・前谷川の上流に懸かる滝です。722年(養老6年)に白山を開いた泰澄がこの滝を見出し「長滝」と名付けたと伝わり、以来、白山信仰の滝行の霊場となりました。天文年間には白山中宮長滝寺の道雅法師が滝の裏の洞窟で修行中に阿弥陀如来の姿を見たと伝わり、これが現在の名の由来とされます。1958年(昭和33年)に岐阜県の名勝に指定されました。
【特徴】
落差約60メートル、幅約7メートルの直瀑で、岩壁の中央から一気に落ちる水が豊かな水量とともに滝壺へ叩きつけられます。滝の北側には昼なお暗い洞窟があり、滝の裏側へ回り込んで水のカーテン越しに景色を眺められるのが大きな特徴です。夏でも滝壺周辺は涼しく、1986年(昭和61年)には岐阜県の名水50選に、1990年(平成2年)には日本の滝百選に選ばれました。秋には紅葉が岩壁を彩ります。
【見どころ】
東海北陸自動車道の高鷲インターから車で約15キロメートル、駐車場から徒歩数分で滝前に着く手軽さも魅力です。滝壺のそばから見上げる迫力はもちろん、洞窟に入って裏側から見る滝は光と水の織りなす幻想的な眺めです。滝の入口にある「阿弥陀ヶ滝荘」は元祖流しそうめんの店として知られ、夏には冷たい湧き水を流す竹樋のそうめんを求めて多くの人が訪れます。毎年7月には一般参加もできる「みそぎ祭り」が滝で行われます。
【トリビア】
葛飾北斎は連作「諸国滝廻り」の一図として「木曽路ノ奥阿弥陀ケ滝」を描き、岩上で弁当を広げる旅人と、円形の岩穴から噴き出すように落ちる滝を大胆に表現しました。滝は実際には木曽路ではなく白山信仰の参道筋にあり、北斎が実景を見たかどうかは定かではありません。流しそうめんは昭和30年代に観光客向けの食事処が清流を利用して考案したものとされ、営業として行われた日本最初の流しそうめんと伝わります。
