【概要】
安倍の大滝は、静岡県静岡市の安倍川最上流、梅ヶ島温泉の近くに懸かる落差約80メートル、幅約4メートルの直瀑で、静岡県内では最大級の落差を持ち、古くは「駿河大滝」とも呼ばれました。県道29号の入口から吊り橋を渡って片道約45分の遊歩道で滝正面の展望地に出られ、2024年初めの土砂崩れによる通行止めは2025年1月に復旧しています。
【歴史】
安倍の大滝は、静岡県静岡市の北部、安倍川の最上流にある梅ヶ島温泉の近くに懸かる滝で、古くは「駿河大滝」とも呼ばれ、「乙女の滝」の別名も伝わります。安倍川源流域は山梨との県境をなす安倍峠や八紘嶺に囲まれた山深い土地で、梅ヶ島温泉は駿府の徳川家康も湯を運ばせたと伝わる古湯です。滝は温泉とともに親しまれ、1990年(平成2年)に日本の滝百選に選ばれました。
【特徴】
落差約80メートル、幅約4メートルの直瀑で、静岡県内では最大級の落差を持つ滝とされます。安倍川の支流が山肌の岩壁を一気に落ち、水量が多い季節には風に乗ったしぶきが展望地まで届きます。滝の周囲は安倍川源流域の深い森で、新緑の頃には緑に包まれた白い水柱、秋には紅葉との対比が見事です。冬には滝の水が凍りつき、氷瀑となることもあります。滝壺近くまで遊歩道が通じており、滝を間近に仰ぎ見られます。
【見どころ】
梅ヶ島温泉から県道29号を少し下った「安倍の大滝入口」バス停付近に遊歩道の入口があり、片道約1.2キロメートル、約45分の道のりです。途中で沢に架かる吊り橋を渡り、沢沿いの道を登っていくと、滝の正面の展望スペースに出ます。梅ヶ島温泉街には無料駐車場があり、静岡駅からはしずてつジャストラインのバスで約2時間で温泉に着きます。冬季は積雪や凍結があるため、アイゼンなどの装備が勧められます。
【トリビア】
遊歩道は2024年(令和6年)初めに土砂崩れで通行止めとなりましたが、2025年(令和7年)1月に復旧して再び滝まで歩けるようになりました。梅ヶ島温泉周辺には安倍の大滝のほかに三段の滝や鯉ヶ滝もあり、安倍峠へ続く道の途中には滝めぐりのコースが整備されています。安倍川は日本有数の急流で砂の多い川として知られますが、その源流の谷に落差80メートルの大滝が隠れていることは意外に知られていません。
