京都に伝わる民俗芸能で、「京都三大念仏狂言」と呼ばれる三つの大念仏狂言(壬生、嵯峨、閻魔堂)です。これらは能楽の狂言とは異なり、仏教の教えを庶民に分かりやすく伝えるために、鎌倉時代ごろに始められたり再興されたりしたと伝わります。壬生と嵯峨は無言劇(パントマイム)ですが、閻魔堂は大半の演目に台詞があるのが特徴です。
A.壬生大念仏狂言と嵯峨大念仏狂言は台詞をいっさい用いない無言劇ですが、ゑんま堂大念仏狂言には台詞があるのが最大の特徴です。ゑんま堂大念仏狂言に台詞がある理由は、成立が比較的遅く、能楽や狂言の影響を強く受けたためと考えられています。
A.声が届かない後方の人にも分かるよう、身振りだけで見せる無言劇の形が生まれたといわれます。壬生大念仏狂言は鎌倉時代の1300年に円覚上人が始めたと伝えられ、鉦と太鼓、笛の囃子に合わせて仮面をつけた演者が物語を運びます。
A.壬生大念仏狂言は節分と春、秋の年三回、嵯峨大念仏狂言は3月のお松明式に合わせた公演のほか春と秋に上演されます。ゑんま堂大念仏狂言の上演は毎年5月のはじめ、ゴールデンウィークの数日間です。
A.春の公演の幕開けを飾る演目で、節分に奉納された素焼きの炮烙が舞台から次々と落とされて割れていきます。炮烙には節分の折に人々が家族の名や年齢を書いて奉納しており、割れることで厄が落ちると信じられてきました。
A.三つとも京都府京都市にあり、壬生寺の壬生大念仏狂言と引接寺のゑんま堂大念仏狂言は直線距離で約4km、ゑんま堂大念仏狂言と清凉寺の嵯峨大念仏狂言は約6km、壬生大念仏狂言と嵯峨大念仏狂言は約7km離れています。