日本の和歌史において特に重要とされる三つの歌集です。現存最古の『万葉集』、最初の勅撰和歌集である『古今和歌集』、中世歌風を確立した『新古今和歌集』を指します。それぞれが奈良・平安・鎌倉と異なる時代を代表し、日本人の美意識や心の変遷を今に伝えています。
A.万葉集は奈良、古今和歌集は平安、新古今和歌集は鎌倉と、三つはそれぞれ異なる時代を代表する歌集です。古今和歌集は905年ごろに醍醐天皇の命でまとめられ、新古今和歌集は後鳥羽上皇の命により1205年にまとめられました。万葉集はいつ誰の手で今の形にまとまったのかははっきりしていません。
A.万葉集は飾らず率直な歌いぶりで「ますらをぶり」、古今和歌集は繊細で優美、そして理知的な歌風で「たをやめぶり」と評されます。万葉集には天皇や貴族の歌と並んで東国の農民や防人とその家族の歌までが収められ、古今和歌集では掛詞や縁語といった技法が発達しました。
A.いずれも全20巻で、万葉集はおよそ4500首、古今和歌集はおよそ1100首、新古今和歌集はおよそ1980首を収めています。万葉集には7世紀後半から8世紀後半にかけて詠まれた、およそ130年間にわたる歌が集められています。
A.古今和歌集の撰者は紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑の四人で、紀友則は完成を待たずに世を去りました。新古今和歌集は後鳥羽上皇が源通具、藤原有家、藤原定家、藤原家隆、飛鳥井雅経を撰者に任じ、完成後も上皇自ら歌の入れ替えを続けました。
A.2019年から始まった元号「令和」は、万葉集の巻五にある「梅花の歌三十二首」の序文から採られました。「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」という一節が典拠で、中国の古典ではなく日本の書物を典拠とした元号はこれが初めてです。