万葉集

(まんようしゅう)
📍 奈良県 明日香村🏯 歴史🎭 文化

【概要】

奈良時代末期に成立した現存する日本最古の和歌集。天皇、貴族から防人、農民に至るまで幅広い階層の人々の歌約4,500首を収める。素朴で力強い「万葉調(ますらをぶり)」が特徴。編者は大伴家持とされる。

【歴史】

万葉集は、7世紀後半から8世紀後半にかけて詠まれた歌を集めた、現存する日本最古の歌集です。全20巻におよそ4500首を収めますが、いつ誰の手で今の形にまとまったのかははっきりせず、最終段階の編纂には歌人としても知られる大伴家持が深く関わったと考えられており、収められた歌はおよそ130年間にわたります。書名には「万世まで末長く伝わるように」との願いが込められているとする説が有力です。

【特徴】

万葉集の最大の魅力は、詠み手の階層の幅広さにあります。天皇や貴族の歌と並んで、東国の農民が口ずさんだ東歌や、九州の警備に赴いた防人とその家族の歌までが同じ一つの書物に収められています。飾らず率直な歌いぶりは、江戸時代の国学者・賀茂真淵によって「ますらをぶり」と評されました。表記には漢字の音や訓を借りた万葉仮名が用いられ、現在のひらがなやカタカナの母体となりました。

【作品背景】

歌が詠まれたのは、飛鳥から藤原京、平城京へと都が移り、国のかたちが整えられていった激動の時代です。壮大な宮廷歌を残した柿本人麻呂、自然を澄んだ目で描いた山部赤人、貧しさや家族への情を歌った山上憶良など、個性豊かな歌人が名を連ねます。恋の歌である相聞、死者を悼む挽歌、その他の雑歌という三つの分類も万葉集の骨組みで、暮らしの実感がそのまま歌となって残されています。

【トリビア】

2019年から始まった元号「令和」は、万葉集の巻五にある「梅花の歌三十二首」の序文、「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」という一節から採られました。中国の古典ではなく日本の書物を典拠とした元号はこれが初めてで、以後この歌集は改めて広く注目を集めるきっかけとなりました。明日香村の奈良県立万葉文化館では、万葉集の歌の世界を絵画や映像を通して親しむことができます。

📅 最終更新: 2026/9/7
万葉集
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です