【概要】
鎌倉時代初期(1205年)、後鳥羽上皇の勅命により編纂された八代目の勅撰和歌集。藤原定家らが撰者となり、約2,000首を収める。絵画的・象徴的な「新古今調」と呼ばれる幽玄・有心の美を極めた。
【中世和歌の最高峰】
『新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)』は、鎌倉時代初期(1205年)に、後鳥羽上皇の命により編纂された8番目の勅撰和歌集です。藤原定家、藤原家隆、西行らが撰者を務めました。古今和歌集以来の伝統を受け継ぎつつ、さらに美意識を極め、「幽玄(ゆうげん)」や「有心(うしん)」といった深く余韻のある芸術的な境地を目指しました。
【本歌取りと体止め】
新古今調と呼ばれるその歌風は、絵画的で幻想的、そして象徴的であり、中世的無常観が漂います。過去の有名な歌の一部を取り入れて新しい世界を作る「本歌取り(ほんかどり)」や、名詞で終わって余韻を残す「体言止め」などの高度な技法が駆使されています。「見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ(藤原定家)」のように、静寂の中に深い美を見出す姿勢が特徴です。
【三夕の歌】
この歌集には、西行法師や寂蓮法師など、隠遁者や僧侶の歌も多く選ばれています。特に、秋の夕暮れの寂しさを詠んだ「三夕(さんせき)の歌」は有名です。貴族社会が衰退し、武家社会へと移り変わる激動の時代にあって、美の極致を追求した芸術作品として、日本文学史上、万葉集、古今和歌集と並んで極めて高い評価を受けています。
📅 最終更新: 2026/1/4




