【概要】
油山寺は静岡県袋井市にある真言宗智山派の寺院で、山号を医王山、本尊を薬師如来とし、目の霊山として知られています。大宝元年に行基上人が開いたと伝わり、孝謙天皇が境内のるりの滝で眼を洗って眼病が癒えたという話から勅願寺になりました。国の重要文化財である三重塔と山門が山内に残り、深い木立に包まれた参道も見どころです。
【歴史】
油山寺は大宝元年(701年)に行基上人が開いたと伝えられ、静岡県袋井市にある真言宗智山派の寺院です。奈良時代に孝謙天皇が眼の病に悩まれた際、当山で祈願して境内のるりの滝の水で眼を洗ったところ快癒したと伝わり、以来天皇の勅願寺となりました。建久元年(1190年)には源頼朝が眼病平癒の礼として三重塔を寄進したとも伝えられています。
【特徴】
本尊は薬師如来で、山号の医王山が示すとおり、病を癒す仏を祀る寺として歩んできました。とりわけ眼の病に効くという信仰が篤く、目の霊山と呼ばれて各地から参拝者が訪れます。参道は緩やかな谷筋をたどり、るりの滝ではいまも滝行が行われています。山内は木立が深く、夏でも空気がひやりとしていて、静けさのなかで手を合わせられる場所です。
【見どころ】
入口に構える山門は、万治2年(1659年)に掛川城の大手門として建てられ、明治6年(1873年)に当山へ移されたもので、国の重要文化財です。石段を登った先の三重塔も国の重要文化財で、桃山時代の慶長16年(1611年)の建立、塔高は約23メートルあります。反りの美しい屋根と扇垂木が見事で、安土桃山期の三名塔のひとつに数えられています。
【トリビア】
油山寺の三重塔と山門は国宝ではなく国の重要文化財で、どちらも昭和29年(1954年)に指定されました。山門はもともと城の門だったため、寺の門としては珍しく武家の構えを残しています。移築は当時の城主だった太田備中守が眼病平癒の礼に寄進したことによると伝わります。薬師堂内の厨子は今川義元の寄進とされ、室町時代の名作と評されています。




