【概要】
全国一の生産量を誇る静岡県のお茶の総称です。鎌倉時代に聖一国師が宋から持ち帰った茶の種を静岡市の足久保に播いたのが始まりと伝わり、明治には牧之原台地の大開墾によって一大産地となりました。澄んだ美しい水色と爽やかな香りが持ち味で、深蒸し茶の発祥地としても知られています。
【歴史】
静岡茶の歴史は1241年、駿河国出身の禅僧・聖一国師が宋から持ち帰った茶の種を、現在の静岡市葵区足久保に播いたことに始まると伝わります。江戸時代には駿府の城下で茶の取引が盛んになり、明治維新後は徳川家に従って駿府へ移った旧幕臣たちや、大井川の渡しの廃止で職を失った川越人足が牧之原台地を開墾して広大な茶園を築き、静岡は日本一の茶産地へと成長しました。
【特徴】
「色は静岡」と歌われるように、静岡茶は澄んだ鮮やかな水色と爽やかな香りが持ち味です。温暖な気候と豊富な日照に加え、大井川や安倍川がもたらす霧と清らかな水に恵まれ、牧之原・川根・本山・掛川など地域ごとに個性の異なる茶が育ちます。蒸し時間を長くして渋みを抑え、まろやかな旨みを引き出す深蒸し茶は静岡で生まれた製法で、今では全国に広まっています。
【見どころ】
茶畑の絶景を楽しむなら、静岡市の日本平は外せません。丘陵に広がる茶園越しに富士山と清水港を一望でき、2018年に開業した日本平夢テラスから眺める風景は、静岡茶の産地を象徴する一枚として親しまれています。牧之原台地には見渡す限りの大茶園が広がり、4月下旬から5月の新茶の季節には茶摘み体験も盛んです。市内には静岡茶を味わえる茶房や、淹れ方を学べる施設も点在しています。
【トリビア】
日本の茶園の約7割を占める品種「やぶきた」は、1908年に静岡市の篤農家・杉山彦三郎が見いだしたもので、竹やぶの北側にあった原木にちなんで名付けられました。また掛川市や牧之原市などに伝わる、ススキやササを刈って茶園に敷く「静岡の茶草場農法」は、生き物の多様性を守る伝統農法として2013年に世界農業遺産に認定されています。静岡茶は静岡県民の暮らしに深く根付いた日常の飲み物でもあります。




