遠州三山は、静岡県袋井市に伝わる法多山尊永寺・医王山油山寺・萬松山可睡斎という三つの古刹をまとめて呼ぶ名前です。飛鳥時代と奈良時代の開創を伝える二寺と室町時代に開かれた禅寺が並び、厄除け、眼病平癒、火防と、授かる功徳がそれぞれ違うのが面白いところです。いずれも国指定の文化財や名物を抱え、三寺が歩調を合わせた催しが開かれる年もあって、一日で巡る参拝路として親しまれています。
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A.三寺で授かる功徳がそれぞれ違います。法多山尊永寺は本尊の正観世音菩薩が厄除観音と呼ばれ、厄除開運の寺として信仰されています。油山寺は薬師如来を本尊とする目の霊山で、眼病平癒の信仰が篤い寺です。可睡斎は秋葉三尺坊大権現を祀る秋葉総本殿として、火防の信仰を集めています。
A.伝えられる開創が最も古いのは油山寺です。油山寺は大宝元年(701年)、法多山尊永寺は神亀2年(725年)に、いずれも行基上人が開いたと伝わります。可睡斎は応永8年(1401年)に恕仲天誾禅師が開いた曹洞宗の寺で、三寺のなかでは新しい禅寺です。
A.三寺とも静岡県袋井市にあり、一日で巡る参拝路として親しまれています。直線距離では油山寺と可睡斎が約2km、法多山尊永寺から油山寺と可睡斎まではそれぞれ約7km離れています。三寺が歩調を合わせた催しが開かれる年もあります。
A.法多山尊永寺の参道入口に立つ仁王門は、こけら葺きの楼門で国の重要文化財です。油山寺では掛川城の大手門を移した山門と、慶長16年(1611年)建立の三重塔が国の重要文化財に指定されています。可睡斎の大東司と瑞龍閣は国の登録有形文化財です。
A.徳川家康の前で和尚が居眠りをした逸話に由来すると伝わります。家康の恩人である11世の仙麟等膳和尚が浜松城で昔話をするうちに眠り始め、家康が「和尚、眠る可し」と笑って許したといいます。以来、和尚は可睡和尚と呼ばれ、もとは東陽軒と称した寺号も可睡斎に改まったといわれています。