【概要】
八坂神社は、京都市東山区の祇園にある神社で、「祇園さん」の名で親しまれています。素戔嗚尊を中心に、妻の櫛稲田姫命と八柱御子神をまつり、全国の八坂神社や祇園社の総本社とされます。明治の神仏分離までは祇園社や祇園感神院と呼ばれ、日本を代表する祭りの祇園祭はこの神社の祭礼です。京都五社めぐりでは、都の東を守る青龍にあたります。
【歴史】
社伝によれば、八坂神社の始まりは656年(斉明天皇2年)にさかのぼり、平安京ができるより前からこの地に神がまつられていたと伝えられます。平安時代には疫病を鎮める神として朝廷の信仰を集め、869年に疫病退散を願って行われた御霊会が、のちの祇園祭の起こりとされます。1868年の神仏分離を機に、祇園社から八坂神社へと名を改めました。
【特徴】
八坂神社の本殿は、1654年(承応3年)に4代将軍徳川家綱の寄進で再建されたもので、本殿と拝殿を一つの大きな屋根で覆う祇園造という独特の形式をとります。神社建築としては珍しく仏堂に近いつくりで、神と仏がともにまつられていた時代の名残を今に伝えています。こうした価値が認められ、2020年(令和2年)に本殿が国宝に指定されました。
【見どころ】
四条通の東の突き当たりに立つ西楼門は、応仁の乱で焼けたのち1497年(明応6年)に再建された朱塗りの楼門で、国の重要文化財です。石段の上にそびえる姿は祇園の町並みの象徴となっています。境内には美の神をまつる美御前社があり、夜になると舞殿に吊るされた奉納提灯に灯がともるので、夕暮れから夜にかけての参拝も楽しめます。
【トリビア】
四条通から目に入るため西楼門が正門と思われがちですが、八坂神社の正門は境内の南側に立つ南楼門です。また大晦日の夜から元日の朝にかけて行われる白朮祭では、おけら灯籠の火を吉兆縄に移し、火が消えないよう縄をくるくると回しながら家へ持ち帰る「おけら参り」が見られます。持ち帰った火は雑煮を炊く火種にして、一年の無病息災を願います。
