【概要】
只見川を見下ろす断崖絶壁に建つ古刹です。「福満虚空蔵菩薩」と呼ばれ、会津の民芸品「赤べこ」の発祥の地としても知られます。毎年1月7日の「七日堂裸詣り」は、多くの参拝者で賑わう勇壮な祭りです。
【歴史】
福島県河沼郡柳津町にある臨済宗妙心寺派の寺院、霊巌山圓藏寺は、柳津虚空蔵尊(円蔵寺)として日本三大虚空蔵の一つに数えられています。大同2年(807年)に法相宗の学僧・徳一が開いたと伝わり、本尊の福満虚空蔵菩薩は弘法大師空海が刻んだものとされます。空海が唐から持ち帰った霊木を三つに分けて海へ流したところ、その一つが柳津の地に流れ着いたという伝説も残されています。
【特徴】
境内は只見川を見下ろす断崖の上に開かれ、本堂の菊光堂は巨大な岩を土台として建てられています。虚空蔵菩薩は無限の知恵と福徳を蔵する仏とされ、学業成就や記憶力の向上、商売繁盛を願う人々の信仰を集めてきました。本尊は秘仏で、数え年13歳の子どもが知恵を授かるために参る十三詣りの霊場としても知られ、会津の人々が古くから巡ってきた会津六詣出の一つにも数えられています。
【見どころ】
菊光堂の縁からは只見川の渓谷と町並みが一望でき、川霧に堂宇が浮かび上がる朝の眺めは会津を代表する風景として写真愛好家に人気です。毎年1月7日の夜には七日堂裸詣りが行われ、下帯姿の男衆が急な石段を駆け上がり、堂内に垂れた鰐口の太い綱をよじ登って一年の無病息災を願います。門前には柳津温泉が湧いており、参拝の後に名物のあわまんじゅうを味わうこともできます。
【トリビア】
会津の郷土玩具として名高い赤べこは、この寺が発祥と伝わります。およそ400年前の地震で堂宇が倒れた際、只見川を使って運ばれた材木を、どこからともなく現れた赤い牛の群れが断崖の上まで引き上げたという伝説にちなむものです。境内には由来を伝える撫牛が据えられ、疫病除けの縁起物でもある赤べこは、首を振る愛らしい姿で今や福島を代表する土産物として広く親しまれています。




