山中温泉

(やまなかおんせん)
📍 石川県 加賀市♨️ 温泉⛰️ 名所

【概要】

山中温泉は、大聖寺川の峡谷である鶴仙渓に沿って宿が並ぶ温泉地で、奈良時代にさかのぼる開湯伝承を持ちます。元禄2年に松尾芭蕉が八泊し、有馬や草津と並ぶ名湯と讃えた湯として知られ、同行していた曽良と別れた地でもあります。あやとりはしやこおろぎ橋が架かる渓谷の遊歩道と、山中漆器の工芸が街の大きな見どころになっています。

【歴史】

山中温泉は、石川県加賀市にある温泉で、奈良時代に行基が薬師如来の導きで湯を見つけたという伝承を持ちます。その後いったん荒れたものの、文治年間に長谷部信連が傷ついた白鷺が足を湯に浸す姿を見て、再び掘り起こしたと伝わります。元禄2年(1689年)には松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅で立ち寄り、泉屋に八泊して湯を楽しんだと記録されています。

【特徴】

泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉で、源泉は48度ほど、弱アルカリ性でほのかな香りを持つ湯です。山中温泉の共同浴場は「菊の湯」と呼ばれ、男湯と女湯が通りを挟んで向かい合う珍しい形をしています。女湯に隣り合う山中座は山中漆器の蒔絵や加飾で彩られた芸能ホールで、温泉街のゆげ街道には工芸や菓子の店が軒を連ねます。

【見どころ】

温泉街に沿って流れる大聖寺川の峡谷が鶴仙渓で、黒谷橋からこおろぎ橋までおよそ1.3キロの遊歩道が続きます。その中ほどに架かるあやとりはしは、草月流家元の勅使河原宏が「鶴仙渓を活ける」という考えで設計した全長94.7メートルの歩行者専用橋で、1991年に完成しました。紅紫色のS字を描く姿が渓谷の緑によく映えます。

【トリビア】

芭蕉は山中温泉の湯を有馬や草津と並ぶ「扶桑の三名湯」と讃え、「山中や菊は手折らじ湯の匂ひ」の句を残しました。この地は同行していた門人の曽良と道を分かった場所でもあり、のちに「山中の別れ」と呼ばれています。芭蕉が世話を受けた泉屋の若主人久米之助は桃妖の号を与えられ、俳人として名を残すことになりました。

📅 最終更新: 2026/9/13
山中温泉
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です