【概要】
鵜戸神宮は、宮崎県日南市の日向灘に面した断崖絶壁にある洞窟の中に本殿が鎮座する。参拝するには石段を下って海辺の洞窟へと向かう。「運玉」を投げて願いを占うことでも有名で、縁結びや安産の神として信仰される。
【歴史】
鵜戸神宮は宮崎県日南市の日向灘に面した断崖にある神社で、主祭神は神武天皇の父にあたる鸕鷀草葺不合尊です。海神の娘・豊玉姫命が出産のために産屋を建てた場所が本殿の鎮座する洞窟であると伝わります。平安時代には「鵜戸山大権現吾平山仁王護国寺」として神仏習合の霊場となり、明治の神仏分離を経て1895年(明治28年)に官幣大社に列格しました。現在の本殿は1711年(正徳元年)に飫肥藩主・伊東祐実が改築したものです。
【特徴】
本殿は東西38メートル、南北29メートル、高さ8.5メートルの海食洞の中に建てられており、参拝者は神門や楼門をくぐった後、断崖に沿った石段を下って海辺の洞窟へ向かいます。この「下り宮」の配置により、貫前神社、草部吉見神社とともに日本三大下り宮の一つとされます。朱塗りの本殿は1995年に宮崎県の有形文化財に指定され、洞窟と本殿が一体となった景観は全国でも類を見ないものです。
【見どころ】
本殿前の岩場にある「亀石」は、豊玉姫命が海神の宮から乗ってきた亀が石になったと伝わる霊石で、背中の窪みに「運」の字を記した素焼きの運玉を投げ入れ、入れば願いが叶うとされます。男性は左手、女性は右手で投げるのが作法です。本殿の裏には豊玉姫命が御子のために残したと伝わる「お乳岩」があり、滴る清水は安産や育児の御利益で信仰されています。洞窟の外に広がる日向灘の絶景も鵜戸神宮の魅力です。
【トリビア】
運玉投げは昭和中期に始まった比較的新しい風習で、それ以前は参拝者が亀石に硬貨を投げていたところ、1954年(昭和29年)に地元の小学生が粘土で玉を作ったのが始まりと伝わります。参道の一つ「鵜戸山八丁坂」は港から神門まで約800メートル、715段の石段が続く古い参道で、日南市の指定文化財です。境内周辺の海岸は国の名勝「鵜戸」に指定され、神話の舞台にふさわしい景観が守られています。




