【概要】
東京都台東区にある上野広小路のうさぎやは、1913年(大正2年)に創業した和菓子店です。看板のどらやきは、蜂蜜を加えた生地を薄く均一に焼き上げた歯切れのよい皮と、北海道十勝産の小豆を炊いたみずみずしい粒あんを合わせた一品で、東京三大どら焼きの一つに数えられます。焼きたてを持ち帰れるのが上野の店ならではの魅力ですが、日によって売り切れることもあります。
【歴史】
1913年(大正2年)、初代の谷口喜作が上野の地で最中を売り始めたのが、うさぎやの始まりです。屋号は喜作が卯年生まれだったことにちなむと伝わります。創業以来の看板である喜作最中とともに、のちに生まれたどら焼きが評判を呼び、上野を代表する手土産として定着しました。現在も同じ場所で、家族と職人が味を受け継いでいます。
【特徴】
うさぎやのどらやきは、粉の配合と焼き方に工夫を重ねた皮が持ち味です。絹のようになめらかで焼き色の均一な生地は、蜂蜜を加えて焼くことで縦に細かな気泡が入り、口に入れるとすっと歯切れます。あんは北海道十勝産の小豆を用いた粒あんで、皮からこぼれ落ちそうなほどやわらかく、しっとりとした甘さが皮の香ばしさと静かに重なります。
【食べ方】
作りたてを前提にした菓子なので、買ったその日のうちに食べるのがいちばんおいしい楽しみ方です。ほんのり温かいうちなら皮の香りがよく立ちます。冷めたあとはオーブントースターで表面を軽く温めると、焼きたてに近い風味が戻ります。冷蔵庫に入れると皮が硬くなりやすいので、常温のまま早めに食べ切るとよいでしょう。日本茶にもコーヒーにもよく合います。
【トリビア】
どら焼きという名は、形が打楽器の銅鑼に似ているからとも、武蔵坊弁慶が銅鑼の上で生地を焼いたからとも言われ、由来には諸説あって定まっていません。なお上野のほかに日本橋と阿佐ヶ谷にも同じ屋号の店がありますが、それぞれ独立して営まれる別の店で、生地やあんの配合、菓子の顔ぶれも少しずつ違っています。東京三大どら焼きに数えられるのは上野の店です。




