【概要】
福島県会津美里町の法用寺にある桜で、会津五桜の一つに数えられます。雄しべの一部が細い花弁に変わる「旗弁」を持ち、八重の花の中心から立ち上がるその形を虎の尾に見立てたことが名の由来とされます。見頃は五桜の中でも遅く、例年四月下旬から五月上旬ごろ。境内に残る三重塔と白い花を一緒に眺められるのが大きな魅力です。
【歴史】
福島県会津美里町の雀林にある法用寺は、会津でも古い歴史を持つ寺として知られ、その観音堂の前に立つのが虎の尾桜です。寺に伝わる話では大同三年に植えられたものとされ、歴代の会津藩主が花見に訪れたともいわれます。会津五桜の一つとして早くから名を連ね、町の天然記念物に指定されて地元の人々に大切に守られています。
【特徴】
オオシマザクラ系のサトザクラに属する一品種で、雄しべの一部が細い花弁に変わる「旗弁」を持つ珍しい桜です。重なり合った花の中心から細い弁がすっと立ち上がり、その形が虎の尾を思わせることが名前の由来とされます。低く横へ張り出した幹の姿を、横たわる虎に見立てたという説も伝わり、由来には複数の言い伝えがあります。
【見どころ】
見頃は例年四月下旬から五月上旬ごろで、会津五桜の中では遅く咲く部類に入りますが、年によって時期は前後します。境内には江戸時代に建てられた三重塔が残り、白い花越しに塔を仰ぐ構図は会津の春を代表する眺めの一つです。花は咲き進むにつれて中心が淡く色づき、近くで一輪ずつのぞき込むと旗弁の形がよく分かります。
【トリビア】
虎の尾桜は、親の木が枯れても根元からひこばえが伸びて後を継ぐ性質を持つとされ、いま見られる木も代を重ねてきたものと説明されています。そのため樹齢を一本の木の年数として示すのは難しく、資料によって数字が大きく食い違います。訪れるときは、長い伝承を背負って立つ、いま一代かぎりの姿として眺めるのがよいでしょう。




