【概要】
大阪天満宮の祭礼で、日本三大祭りの一つに数えられます。陸上の行列(陸渡御)の後、御神霊を乗せた奉安船が大川を遡る「船渡御(ふなとぎょ)」が行われます。篝火(かがりび)を焚いた約100隻の船団と、夜空を彩る花火の競演は、水の都・大阪を象徴する夏の風物詩です。
【歴史】
天神祭は、大阪府大阪市にある大阪天満宮の祭礼です。菅原道真公を祀る天満宮が鎮座した二年後の天暦五年、大川に神鉾を流し、流れ着いた場所に祭場を設けて禊を行ったのが始まりと伝わります。この神事がのちの鉾流神事となり、祭場へ船で神霊を迎えた儀式が船渡御の起源になったとされています。千年を超えて受け継がれ、京都の祇園祭、東京の神田祭と並ぶ日本三大祭の一つに数えられます。
【特徴】
祭りの本番は毎年七月二十四日の宵宮と、二十五日の本宮です。本宮の午後には催太鼓や地車囃子を伴う陸渡御の行列が街を進み、天神橋のたもとから御神霊を奉安船に移して船渡御が始まります。大川を行き交う船はおよそ百隻、乗り込む人は一万人にのぼるといわれます。かがり火に照らされた水面と船上の囃子が響き合うことから、天神祭は「火と水の祭典」とも呼ばれています。
【楽しみ方】
クライマックスは、船渡御を奉祝して打ち上げられる約三千発の奉納花火です。川面を進む船団と夜空の花火が重なる光景を目当てに、二日間で百万人を超える人出があります。宵々宮にあたる七月二十三日には、天神橋筋商店街の「天神祭女性御神輿」、通称ギャルみこしが練り歩きます。昭和五十六年に始まったこの行事も、いまでは夏の到来を告げる風物詩として定着しました。
【トリビア】
船渡御に参加する船は、神霊を奉じる奉安船や供奉船のほか、企業や地域の団体が仕立てた船まで実に多彩です。すれ違うたびに大阪締めを交わすのが習わしで、水都ならではの挨拶が夜の川面に響き渡ります。天神祭は戦災や河川環境の悪化によって規模の縮小を余儀なくされた時期もありましたが、市民の手で復興が重ねられてきました。大阪の夏の盛りを告げる祭りとして、今も多くの人に親しまれています。
