【概要】
太郎山は栃木県日光市にある標高2368メートルの火山で、男体山と女峰山のあいだに生まれた長男に見立てられてきました。山頂には味耜高彦根命をまつる太郎山神社が鎮座し、少し南に下った平地はお花畑と呼ばれる古い火口の跡です。戦場ヶ原の北東に静かに構え、三山のなかではもっとも訪れる人の少ない山として知られます。
【歴史】
太郎山という名は、父にあたる男体山と母にあたる女峰山のあいだにできた長男と見なされたことに由来すると伝えられます。山頂には味耜高彦根命をまつる太郎山神社が置かれ、日光二荒山神社がいただく親子三神のうち御子神の座をこの山が担ってきました。山そのものを太郎山権現としてあおぎ、登拝する信仰も古くから続いています。
【特徴】
太郎山は日光火山群に属する標高2368メートルの火山で、山頂の南側、標高2280メートルあたりに大きな火口の跡が広がります。かつて湿地だったこの平地はお花畑と呼ばれ、ハクサンフウロやウスユキソウなどの花が夏に咲きそろいます。山頂そのものは岩がちで狭く、男体山や大真名子山、戦場ヶ原を見下ろす展望が開けます。
【見どころ】
登り口は三つあり、志津峠から尾根をたどる道、山王峠を経て山王帽子山と小太郎山を越える道、光徳温泉から入る道が知られます。志津峠側の道には新薙と呼ばれる急なガレ場があり、大真名子山の千鳥返しなどとともに日光三険のひとつに数えられます。林道の通れる区間は年ごとに変わるため、事前の確認が欠かせません。どの道も歩行時間が長く、日の短い時期は余裕をもって出発したい山です。
【トリビア】
日光の三山は日本の名山の番付でもきれいに並び、父の男体山が日本百名山、母の女峰山が日本二百名山、長男の太郎山が日本三百名山に選ばれています。お花畑の一帯は広く平らで霧が巻くと方向を見失いやすく、慎重な歩みが求められます。日光の市街からは奥に隠れて見えにくいことも、この山が静かな理由のひとつです。訪れる人の少なさが、かえって山の深さを感じさせます。




