【概要】
佐賀県武雄市にある武雄温泉は、奈良時代の『肥前国風土記』にも記された古い湯で、開湯から千三百年ともいわれます。無色透明でやわらかな弱アルカリ性の単純温泉が湧き、温泉街のシンボルは辰野金吾の設計で大正四年に完成した朱塗りの楼門です。江戸時代は長崎街道の宿場として旅人や大名を迎え、今も共同浴場と旅館が門前に集まっています。
【歴史】
武雄温泉は奈良時代に編まれた『肥前国風土記』に郡の西に温泉が流れると記された古い湯で、三韓征伐から帰った神功皇后が矛の柄で岩を突いて湯を湧かせたという伝説が伝わります。江戸時代には長崎街道の塚崎宿として多くの旅人を迎え、長崎へ向かう大名や、宮本武蔵やシーボルトが湯を訪れたという記録も語り継がれてきました。
【特徴】
泉質はやわらかな弱アルカリ性の単純温泉で、無色透明でぬるりとした肌ざわりが持ち味です。源泉の温度は五十度前後と高く、加水せずに引かれている浴槽もあります。佐賀県武雄市にある温泉街は駅から歩ける距離にまとまり、共同浴場と旅館、貸切風呂が朱塗りの楼門を中心に肩を寄せ合うように並び、湯めぐりだけで半日を過ごせます。
【見どころ】
いちばんの見どころは大正四年に完成した楼門で、東京駅を設計した辰野金吾の手によるものです。釘を一本も使わない竜宮造りの門は、平成十七年に新館とともに国の重要文化財となりました。二階の天井には四隅に干支の彫刻が隠れており、東京駅の八つと合わせて十二支がそろうという説が知られ、訪れる人の話題を集めています。門前の広場は記念写真を撮る人でにぎわいます。
【トリビア】
楼門の奥に建つ新館も辰野金吾の設計で、大正時代のタイル張りの浴室が復元され、内部を見学できるようになっています。かつて鍋島家の殿様専用だった殿様湯や、庭を望む蓬莱湯など、湯殿ごとの個性も武雄温泉の魅力といえます。門の二階も時間を決めて公開されていますが、営業時間や入浴料は変わることがあるため、出かける前に確かめると安心です。




