【概要】
高鉢山は綾上富士とも呼ばれ、標高512メートルで讃岐七富士の最高峰にあたります。讃岐山脈の北に連なる丘陵群の主峰で、見る方角によって少し首をかしげたような稜線を見せます。中腹には真夏でも冷たい風が吹き出す高鉢山風穴があり、山頂の近くにはキャンプ場も整えられている、涼を求めて訪ねたい山です。讃岐七富士のなかで唯一、丘陵の主峰として高さを備えた一座です。
【歴史】
高鉢山の中腹にある風穴は、内部が真夏でも10度から12度ほどに保たれることから、大正の初めに周囲を石垣で囲んだ白い建物が設けられ、蚕の卵やうど、みかん、豆類などを貯蔵する天然の冷蔵庫として使われました。山頂にはかつて航空灯台が置かれ、夜の空を行く飛行機に位置を知らせる目印になっていたと伝えられます。
【特徴】
香川県綾川町にある高鉢山は讃岐七富士のうちで最も高く、標高512メートルの頂は町の南部に位置します。ほかの六座が平野にぽつんと残された低い里山であるのに対し、この山は丘陵の連なりの主峰として高さを備え、七座のなかでは登りごたえのある一座です。急な斜面には木の階段が整えられています。そのため讃岐七富士を一日で巡る人にとっても、ここが山場になります。
【見どころ】
登山道は短い距離で一気に高度を上げる急登で、木道の階段をたどって山頂へ向かいます。頂上は木立に囲まれて展望が大きく開けるわけではありませんが、下山の途中で立ち寄れる風穴の冷気が何よりのご褒美です。周辺のキャンプ場は季節や天候によって利用の条件が変わるため、訪ねる前に確認しておくと安心です。風穴の周りには大正期の石積みが残り、当時の貯蔵庫の姿をしのばせます。
【トリビア】
高鉢山の風穴は日本三大風穴のひとつに数えられるとも紹介され、県内では珍しい風穴として知られています。綾上富士という呼び名は、合併前の綾上町の名に由来します。讃岐七富士のうち堤山と高鉢山の二座が現在の綾川町にあり、ひとつの町で二つの郷土富士を数える点も特徴といえます。山頂に置かれていた航空灯台の跡も、今は静かな木立のなかに埋もれています。




