【概要】
高岳は、阿蘇五岳の最高峰で標高千五百九十二メートルを測る山です。熊本県阿蘇市の仙酔峡から尾根をたどる道が代表的な登り口で、山頂に立つと中岳の火口とカルデラを囲む外輪山を一度に見渡せます。深田久弥の日本百名山では阿蘇山としてこの峰が最高点に挙げられ、東峰の南斜面に広がるミヤマキリシマの大群落は初夏の名物になっています。
【歴史】
阿蘇のカルデラは、約二十七万年前から約九万年前にかけて四回繰り返された巨大噴火によってできました。最後の噴火の火砕流は遠く山口まで達したと考えられています。その後カルデラの内側に新しい火山が育ち、高岳もその中央火口丘群の一つとして姿を整えました。一九六四年には麓から山上へ仙酔峡ロープウェイが架けられましたが、二〇一〇年に運休したまま廃止されています。
【特徴】
高岳は丸みを帯びた円錐形の山体を持ち、北側はなだらかな草地の斜面、南側は火口壁が切れ落ちた岩場になっています。山頂の一帯は岩と砂礫がむき出しで、荒々しい高山らしい景色が広がります。東峰から北へ延びる岩稜は鷲ヶ峰・竜ヶ峰・虎ヶ峰と呼ばれ、鋭い岩壁が谷へ落ち込みます。隣の中岳とは稜線でつながり、両峰を続けて歩く人が多い山です。
【見どころ】
熊本県阿蘇市にある仙酔峡は高岳の代表的な登り口で、その名は仙人さえ酔うほど美しいという意味だと伝えられます。東峰の南斜面は天狗の舞台と呼ばれ、五月下旬から六月上旬にかけてミヤマキリシマが斜面いっぱいに咲きそろいます。山頂に立てば、噴煙を上げる中岳の火口、草千里ヶ浜の草原、カルデラを取り囲む外輪山までひと続きに見渡せます。
【トリビア】
高岳の山頂には三等三角点が置かれ、標高は千五百九十二・三メートルとされています。日本百名山の阿蘇山はこの高岳を最高点として数えられており、九州本土でも指折りの高さを持つ山です。仙酔峡から山頂へまっすぐ突き上げる仙酔尾根はバカ尾根の通称で知られ、標高差七百メートル近くを休む場所もほとんどないまま登り続ける急な道です。




