【概要】
諏訪大社上社本宮は諏訪湖の南、守屋山の北麓に鎮座する四社の中心で、全国の諏訪神社の総本社にあたります。本殿を設けず背後の山そのものを御神体とする諏訪造りの社殿が特徴で、幣拝殿と左右の片拝殿が横に並びます。徳川家康の寄進による四脚門や約七十メートルの布橋など、江戸時代の建築が数多く残り、十万坪におよぶ原生林の社叢が境内を包みます。
【歴史】
諏訪大社上社本宮は、長野県諏訪市にある諏訪湖の南、赤石山脈の北端にあたる守屋山の北麓に鎮座します。全国に約二万五千社あるとされる諏訪神社の総本社であり、信濃國一之宮として古くから崇敬を集めてきました。創建の年代は定かではありませんが、我が国最古の神社の一つに数えられ、国譲りの神話で出雲から諏訪へ入られた建御名方神を祀ります。
【特徴】
社殿は本殿を設けない諏訪造りと呼ばれる独特の形式で、幣拝殿の左右に片拝殿が横に並び、その奥には二棟の茅葺の宝殿が建ちます。御神体は建物ではなく背後の山そのものとされ、一般には守屋山がこれにあたると伝えられてきました。四隅には御柱が立ち、神を建物に納めずに山を拝むという古い信仰のかたちが今も守られています。
【見どころ】
境内には江戸時代の建築が数多く残ります。最古の建物とされる四脚門は1608年に徳川家康が家臣の大久保長安に命じて造営させたもので、勅使門の別名を持ちます。1829年建立の布橋は三十八間、約七十メートルに及ぶ長廊で、歩くだけで社域の広さが実感できます。神楽殿に納められた大太鼓は江戸時代の作で、直径は約一メートル八十センチに達します。
【トリビア】
幣拝殿と片拝殿は二代目立川和四郎富昌が八年の歳月をかけ、1838年に完成させた立川流建築の代表作として知られます。宝殿には、どんな干天の日でも軒から最低三粒の水滴が落ちるという言い伝えが残ります。上社本宮を包む社叢は約十万坪におよび、中部地方では珍しい原生林として五百種ほどの植物が群生するといわれています。




