水月湖

(すいげつこ)
📍 福井県 若狭町🌿 自然⛰️ 名所

【概要】

水月湖は、三方五湖でいちばん広い汽水湖です。福井県若狭町にあり、面積は約四・二平方キロメートル、最大水深は三十四メートルに達します。深い底には酸素がなく生き物がすめないため、湖底には七万年分の縞模様「年縞」が乱されずに積もりました。この年縞が放射性炭素年代測定の世界標準に採用され、湖は世界の時間の目盛になっています。

【歴史】

水月湖と久々子湖をつなぐ浦見川は、一六六二年の寛文近江・若狭地震のあとに開かれた人工の水路です。地震で地面が数メートル持ち上がって菅湖から流れ出す川がふさがり、水月湖や三方湖の水位が上がって湖畔の村が水没しました。小浜藩の郡奉行行方久兵衛が岩山を掘り抜く工事を指揮し、一六六四年に水を海へ逃がす川が通りました。

【特徴】

水月湖は下層に塩分の重い水がたまり、酸素が届かないため魚も貝もすめません。生き物が湖底をかき混ぜないので、春から秋のプランクトンと秋から春の鉄分や黄砂が一年ごとに一枚の縞をつくり、平均して〇・六から〇・七ミリずつ積み重なりました。掘り抜かれた堆積物は厚さ四十五メートル、七万年分の途切れない縞になっていました。

【見どころ】

水月湖のそばには二〇一八年に開いた福井県年縞博物館があり、四十五メートルの年縞をステンドグラスのように光にかざして一列に並べています。七万年の時間を横に歩いて見られる展示は世界でもここだけです。レインボーラインの山頂公園からは、水月湖と菅湖が入り組んだ形と、湖ごとに濃さの違う青い水面を見下ろせます。

【トリビア】

二〇一二年の国際放射性炭素会議で水月湖のデータが較正モデルIntCalに採用され、二〇一三年の「IntCal13」から世界中の年代測定に使われるようになりました。遺跡や化石の年代を「何年前」と語るとき、その物差しの一部はこの湖の底から来ています。大きな流入河川がなく周囲の山が風を遮る地形も、縞を乱さず残す条件になりました。

📅 最終更新: 2026/9/12
水月湖
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です