【概要】
菅湖は、三方五湖のなかで最も小さな汽水湖です。福井県若狭町にあり、面積は約〇・九一平方キロメートル、周囲は四・二キロメートル、最大水深は十三メートルあります。水月湖の東に隠れるように横たわり、湖岸には観光施設がほとんどありません。冬にはオオワシやオジロワシが渡ってくる水鳥の楽園で、鳥獣保護区に指定されています。
【歴史】
菅湖はもともと、ここから久々子湖へ気山川が流れ出す出口を持っていました。一六六二年の寛文近江・若狭地震でこの一帯が三メートルほど隆起し、川がふさがれて上流の三方湖や水月湖の湖畔が水につかりました。水を抜くために浦見川が開かれてからは、菅湖の水も水月湖を経て久々子湖へ流れる道筋に変わり、いまの水のつながりができました。
【特徴】
五つの湖でいちばん狭い湖ですが、最大水深十三メートルと三方湖や久々子湖より深く、下層には塩分の濃い水がたまります。菅湖を囲む丘に道路がほとんど通らないため、波の音と鳥の声しか聞こえない静けさが残りました。岸辺のヨシ原や浅場は魚の産卵場になり、汽水らしくフナやウナギ、スズキなどが入り混じって育ちます。
【見どころ】
菅湖のいちばんの魅力は、冬の水鳥観察です。オオワシやオジロワシが湖の上を旋回し、カモ類やコハクチョウが羽を休める姿を、静かな湖畔の道からそっと眺められます。標高四百メートルの梅丈岳に開かれたレインボーラインの山頂公園からは、菅湖と水月湖を隔てる細い岬の形がよくわかり、五つの湖がそれぞれ違う青に染まる眺めをまとめて見渡せます。
【トリビア】
菅湖の周囲は鳥獣保護区の特別保護地区に指定され、狩猟が禁じられています。二〇〇五年に三方五湖がラムサール条約の登録湿地となったときは、千百十ヘクタールの登録面積のなかにこの湖も含まれました。遊覧船も湖岸をめぐる道路もないため車窓や展望台から眺めるだけの湖になりがちですが、それがかえって鳥たちの静けさを守っています。




