【概要】
静岡おでんは黒い牛すじベースの濃口醤油スープが特徴のご当地おでん。具材はすべて串に刺さっており、イワシやサバのすり身で作る黒はんぺんが名物。食べる際にはだし粉と青のりをたっぷりかけるのが静岡流で、青葉おでん街や駄菓子屋など独自のおでん文化が根付いている。
【歴史】
静岡おでんの起源は大正時代に遡り、牛すじ肉の煮込みから発展したとされる。戦後の食料難の時代に駄菓子屋でおやつとして子どもたちに親しまれ、静岡独自のおでん文化が形成された。青葉おでん街は昭和28年頃に屋台が集まって誕生し、現在も20軒以上の店が軒を連ねる。2007年には静岡おでんの会が発足し、地域ブランドとしての発信も積極的に行われている。農林水産省の郷土料理百選にも選ばれた静岡を代表する食文化である。
【特徴】
静岡おでんの最大の特徴は真っ黒なスープである。牛すじから出た旨味が長年の継ぎ足しで凝縮され、見た目ほど濃い味ではなくまろやかなコクが楽しめる。具材はすべて串に刺さっているのがルールで、イワシやサバのすり身を使った黒はんぺんは静岡おでんの代名詞。練り物や大根、卵なども黒いスープで煮込まれ独特の飴色に染まる。食べる直前にだし粉と青のりをたっぷりかけるのが静岡流の作法である。
【食べ方】
静岡市中心部の青葉おでん街と青葉横丁が聖地とされ、昭和の風情漂う屋台で串刺しのおでんを選んで楽しむスタイルが定番。一本60円から100円程度と手頃な価格で、ビールや静岡の地酒とともに味わうのが通の楽しみ方。駄菓子屋でおやつ感覚で食べる文化も健在で、子どもが学校帰りにおでんを頬張る光景は静岡ならでは。自宅用にはスーパーで黒はんぺんとだし粉のセットも販売されている。
【トリビア】
静岡おでんの黒いスープは「継ぎ足し」で何十年も使い続ける店が多く、老舗では半世紀以上の歴史を持つスープもある。静岡では一年中おでんが食べられ、夏でもおでんを提供する店が珍しくない。黒はんぺんは全国的には白いはんぺんが主流だが、静岡県民にとって「はんぺん」といえば黒が常識。静岡おでんの定義として「黒いスープ」「串刺し」「だし粉」「黒はんぺん」「駄菓子屋」の5か条が制定されている。




