【概要】
鎌倉時代からの刀鍛冶の伝統を受け継ぎ、世界へ向けて高品質な家庭用包丁などを大量に生産する「世界三大刃物産地」の一つ。
【歴史】
岐阜県関市の刃物づくりは、鎌倉時代末期から室町時代初期にかけて、刀匠・元重(もとしげ)が関の地に移り住んだことから始まったと伝えられています。関の地は、良質な焼刃土(やきばつち)、松炭、そして清流・長良川の豊かな水資源という、刀剣作りに欠かせない三つの条件が奇跡的に揃っていました。この理想的な環境のもとで多くの刀匠が集まり、歴史に名高い「関の孫六(まごろく)」などの名工を輩出して発展を遂げました。
【特徴】
関の刃物は「折れず、曲がらず、よく切れる」という実用性の高さで、古くから武将たちの間で高く評価されてきました。現代ではその伝統的な日本刀鍛冶の高度な技術を、包丁やハサミ、爪切りといった身近な刃物の製造に応用しています。特に家庭用からプロの料理人用まで幅広く使われる包丁は、切れ味の鋭さだけでなく、長切れする耐久性の高さと研ぎやすさが特徴で、世界中のシェフからも熱烈な支持を受けています。
【見どころ】
毎年10月に開催される「刃物まつり」は、日本全国だけでなく海外からも多くの刃物愛好家が訪れる町を挙げた一大イベントです。メインストリートである本町通りには、1キロにもわたって数え切れないほどの刃物の直売テントが立ち並び、職人とおしゃべりしながらお気に入りの一本を探すことができます。また、古式ゆかしい日本刀鍛錬の一般公開も行われ、火花散る大迫力の伝統技術を間近で見学できる貴重な機会です。
【トリビア】
日本の国産包丁の約半分は関市で生産されていると言われるほど、圧倒的なシェアを誇ります。さらに、ドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドと並んで「世界三大刃物産地(3S)」の一つに数えられており、その名は世界に轟いています。市内にある「関鍛冶伝承館」では、鎌倉時代から続く関鍛冶の歴史や多様な現代の刃物製品が体系的に展示されており、深く学びながらお買い物を楽しむことができます。




