【概要】
静岡県東伊豆町に伝わる、子供の成長を願って手作りの布細工を赤い輪から吊るす温かい伝統風習。
【歴史】
静岡県東伊豆町の稲取(いなとり)温泉に江戸時代後期から伝わる「雛のつるし飾り」は、高価な雛人形を買えなかった庶民の親たちが、子供の健やかな成長を願って桃の節句に手作りで奉納したのが始まりとされています。布の切れ端を集めて近所の人々と協力しながら一つひとつ思いを込めて縫い上げ、それを赤い輪から幾重にも連ねて吊るすという、温かい愛情から生まれた伝統的な風習です。
【特徴】
赤い輪から赤い糸を垂らし、そこに数十個の小さな手作りの布細工を結びつけていくスタイルが特徴です。飾られるお細工物には一つひとつに大切な意味が込められており、例えば「桃」は長寿や魔除け、「猿」は厄が去る、「這い子人形」は子供の健やかな成長を願うなど、子を想う親の純粋な祈りが鮮やかな色彩と可愛らしい造形の中にすべて詰まっています。
【見どころ】
毎年1月中旬から3月下旬にかけて稲取温泉で開催される「雛のつるし飾りまつり」は、町全体が華やかな装飾に包まれる町最大のイベントです。メイン会場となる「文化公園雛の館」では、日本最大級の巨大なつるし飾りや数万個もの可愛らしいお細工物が天井から滝のように降り注ぐように展示され、訪れる人々を圧倒的なスケールと温かい雰囲気で包み込みます。
【トリビア】
雛のつるし飾りに使われるモチーフはなんと全部で110種類以上あると言われており、地元の人々の豊かな想像力と深い愛情を物語っています。また、このお祭りの期間中には、全国から多くの観光客が訪れるだけでなく、不要になった雛人形や飾り物を感謝を込めて燃やし供養する神聖な行事も行われ、物を大切にする日本の美しい精神文化も共に引き継がれています。
📅 最終更新: 2026/2/21




