【概要】
嵯峨釈迦堂の名で親しまれる古刹です。本尊の「三国伝来の釈迦如来(国宝)」は、生身のお釈迦様を模したとされ、インド、中国を経て日本に伝わりました。体内には絹製の五臓六腑が納められていることでも有名です。
【歴史】
清涼寺(釈迦如来)は、京都府京都市右京区にある浄土宗の寺院で、嵯峨釈迦堂の通称で親しまれています。この一帯はもと嵯峨天皇の皇子である源融の山荘で、その没後に阿弥陀三尊を祀る棲霞寺が営まれました。宋へ渡った東大寺の僧奝然が持ち帰った釈迦如来像は991年にこの棲霞寺の釈迦堂へ安置され、中国の五台山にならう寺の建立を志して没した奝然の遺志を、弟子の盛算が継いだと伝わります。
【特徴】
本尊の木造釈迦如来立像は像高がおよそ百六十二センチメートルあり、北宋の985年に張延皎と張延襲の手で刻まれた等身大の像です。インドで生身の釈迦を写した像が中国を経て日本へ渡ったとする「三国伝来の釈迦」の由緒を持ち、体内に絹で作られた五臓六腑が納められていたことから「生身の釈迦」とも呼ばれます。国宝に指定され、各地でその姿を写した清涼寺式釈迦像が造られました。
【見どころ】
本尊は毎月八日に開扉されるほか、春と秋には霊宝館の特別公開もあわせて営まれ、間近に拝む機会が設けられています。境内の狂言堂では四月に嵯峨大念仏狂言が演じられ、壬生狂言などと並ぶ京の大念仏狂言として重要無形民俗文化財に指定されています。仁王門から本堂へ続く広い境内は嵐山の喧騒から離れて静かで、多宝塔や源融ゆかりの阿弥陀三尊像も見どころです。
【トリビア】
1953年の解体修理の際、本尊の胎内から絹製の五臓六腑をはじめ、鏡や銭貨など多数の納入品が見つかり、内臓を表現した現存最古の作例として大きな驚きをもって迎えられました。これらの納入品も本尊とあわせて国宝に指定されています。境内には豊臣秀頼の首塚と伝わる石塔もあり、門前には湯豆腐で名高い嵯峨豆腐の老舗が店を構えています。




