【概要】
三段峡は、安芸太田町にある特別名勝です。四季折々の美しい景観が楽しめ、多くの観光客が訪れます。日本の美を象徴する場所の一つです。
【歴史】
広島県安芸太田町を流れる柴木川の上流に刻まれた三段峡は、1917年(大正6年)ごろから写真家の熊南峰らによって世に紹介され、広く知られるようになった渓谷です。熊は写真と文章で渓谷の美しさを伝え続け、地元の人々とともに保護と道の整備に力を注ぎました。その結果、1925年に国の名勝、1953年(昭和28年)には文化財保護法に基づく国の特別名勝に指定されるに至りました。
【特徴】
全長はおよそ16キロメートルにおよび、そのうち約11キロメートルを遊歩道でたどることができます。基盤の流紋岩に花崗岩が入り込んだ地質で、山地の隆起を川の浸食が上回ったために、蛇行した流れがそのまま深く刻み込まれる穿入蛇行の地形が生まれました。両岸に断崖が迫り、水の力で削られた甌穴や、淵と滝が次々に現れる箱庭のような景観が続いていくのが三段峡の魅力です。
【見どころ】
見どころは、黒淵、猿飛、二段滝、三段滝、三ツ滝と呼ばれる五大景観です。黒淵と猿飛では渡し舟が運航しており、水面すれすれの高さから岩壁を見上げることができます。名の由来となった三段滝は、水が三段に折れながら落ちる姿が見事です。入口は下流側と上流側の複数箇所にあり、体力に応じて歩く区間を選べます。水の色は季節や光の加減で青緑にも黒にも見え、新緑と紅葉の季節にはとりわけ多くの人が訪れます。
【トリビア】
三段峡という名は、三段滝からではなく中国の三峡になぞらえた文人の言葉に由来するとされています。2015年に発行されたフランスの旅行ガイド「ブルーガイド」で最高評価の三つ星を得たことで、海外からの注目も高まりました。かつては旧国鉄可部線の終点である三段峡駅が渓谷の入口に置かれていましたが、2003年にその区間は廃止され、現在は広島市方面から路線バスが結んでいます。




