【概要】
西芳寺庭園は、京都市にある特別名勝です。四季折々の美しい景観が楽しめ、多くの観光客が訪れます。日本の美を象徴する場所の一つです。
【歴史】
西芳寺庭園は、京都府京都市にある「苔寺」の通称で広く親しまれている名園です。寺伝では天平3年(731年)に行基が聖徳太子ゆかりの別荘を寺に改めたのが始まりと伝わります。暦応2年(1339年)、この地を領した摂津親秀の招きで夢窓疎石が入寺して禅寺として中興し、寺号を西芳寺と改めるとともに、上下二段からなる独創的な庭園を築いたとされています。この作庭が西芳寺の名を不動のものにしました。
【特徴】
下段は黄金池と呼ばれる心字形の池を中心とする池泉回遊式庭園で、上段は洪隠山と称する山腹に組まれた枯山水です。ここに残る三段の枯滝石組は、日本における枯山水の最も早い作例の一つに数えられています。池を巡る庭と石組の庭を上下に重ねる構成そのものが、以後の禅宗寺院の庭づくりに大きな影響を与えたと高く評価されており、日本庭園史における大きな転換点に位置づけられています。
【見どころ】
境内を覆う約120種ともいわれる苔の絨毯が最大の魅力ですが、この苔は夢窓疎石の時代からあったものではなく、荒廃を経た江戸時代末期ごろに自然に生じたものとされます。開山堂である指東庵や、千少庵が建てたと伝わる茶室の湘南亭も見逃せません。大正12年(1923年)に史跡および名勝、昭和27年(1952年)に特別名勝へ指定され、古園として保護されています。
【トリビア】
足利義満が営んだ金閣や義政の銀閣は、いずれもこの庭を手本にしたと伝わり、室町文化に及ぼした影響の大きさがうかがえます。拝観は昭和52年(1977年)から完全予約制となり、写経などの宗教行事に参加することが条件とされてきました。作庭した夢窓疎石は天龍寺や瑞泉寺の庭も手がけた名手として知られ、禅の思想を庭に映し出した先駆者として今日も高く評価されています。




