【概要】
福岡県柳川市の城下町で生まれた、七個の細工物を七本の糸で吊るし、大きな「柳川まり」を飾る豪華な装飾。
【歴史】
福岡県柳川市の「さげもん」は、江戸時代末期に女の子の初節句を祝う風習として城下町の奥女中たちの間で始まったとされています。当時は裕福な家庭しか豪華な雛人形を飾ることができなかったため、お祝いの席の脇役として、色鮮やかな端切れで作った手作りの小物を竹の輪から吊るして一緒に飾ったのが始まりで、やがて町民全体へと広く浸透していきました。
【特徴】
さげもんの最大の特徴は、七本の糸にそれぞれ七個のお細工物を吊るし(合計四十九個)、さらに中央に巨大な二つの「柳川まり」を下げることで、合計五十一個の飾りで構成されるという厳格なルールです。これは「人生五十年の時代に少しでも長生きしてほしい」という願いが込められており、色鮮やかな手毱(まり)と縁起の良い動物たちの組み合わせが大輪の花のような美しさを生み出します。
【見どころ】
柳川市で毎年2月中旬から4月上旬に開催される「柳川雛祭り さげもんめぐり」は、水郷の町が一年で最も華やぐ一大イベントです。武家屋敷や商店、各家庭の縁側に至るまで、町中の至る所に豪華なさげもんが飾られ、川下りのどんこ舟から眺める景色は春の情緒に溢れています。また、水上パレードのお雛様始末など、水の都ならではの優雅な行事も必見です。
【トリビア】
さげもんに欠かせない「柳川まり」は、木綿糸を何重にも巻いて作られた球体に、色鮮やかな絹糸を使って幾何学的な美しい模様を刺繍していく柳川独自の伝統工芸品です。とても手間と時間のかかる高度な技術が必要とされ、この「柳川まり」単体でもお祝いの品として非常に高い価値があり、母親から娘へと三世代にわたって受け継がれることもある大変貴重な宝物です。
📅 最終更新: 2026/2/21




