【概要】
佐渡赤玉石は、新潟県佐渡島で産出される、日本三大銘石の一つ。「日本一赤い石」とも呼ばれ、非常に硬く、磨くと素晴らしい光沢を放つ。豊臣秀吉にも献上された歴史を持ち、魔除けや縁起物としても極めて人気が高い。
【歴史】
佐渡赤玉石は、新潟県佐渡市で産出される深紅の銘石で、その歩みは縄文時代までさかのぼると伝わります。島内の遺跡からは矢じりに加工された赤い石が出土し、弥生時代には勾玉や管玉といった装飾品が作られ、玉造りの工房跡もいくつか確認されています。室町時代に自然石を室内で愛でる水石の文化が広まると銘石として珍重され、豊臣秀吉や徳川将軍家へ献上された記録も残されています。
【特徴】
鉱物学的には碧玉、いわゆるジャスパーに分類され、鮮やかな赤色は石に含まれる酸化鉄によるものです。石英質でたいへん硬く、時間をかけて磨き上げると、濡れたように深い光沢を放ちます。産地は島の東側にひらけた赤玉の集落を流れる中川の流域にほぼ限られ、色の濃さや艶、姿かたちによって評価が大きく変わるのも佐渡赤玉石の特徴といえます。とりわけ濃く深い赤を示すものは別格の扱いを受けてきました。
【見どころ】
佐渡赤玉石は床の間に据える水石や、庭を引き締める景石として飾られ、島内の石材店や土産物店では小ぶりな原石や磨き石を手に取ることができます。佐渡は赤玉石のほかに碧玉や瑪瑙も産する石の島で、古代の玉作りを伝える遺跡も残ります。世界遺産に登録された金山やトキの森公園とあわせて島をめぐれば、赤い石を育てた大地の成り立ちと、そこに寄り添ってきた人の営みの両方をたどる旅が楽しめます。
【トリビア】
日本一赤い石とも呼ばれる佐渡赤玉石は、赤が魔を払う色とされたことから武家の守護石として重んじられ、上質なものは金山で採れる金よりも価値があったと語り伝えられてきました。赤玉という地名そのものが、この石の産出に由来するといわれます。乱掘によって資源が失われることを防ぐため、1980年には新潟県の条例で採取が全面的に禁止され、いま出回る石はそれ以前に採られたものに限られています。




